連結した手話の流れの中で表現される
手話表現の、一例をあげれば、野を越え、山を越え、川を渡って家にたどり着いた。
などの表現は、その速度や動き等々によって
野を越える時。
山を越える時。
川を渡る時。
家にたどり着いた感情・情景などが上記の組み合わせで微妙に表現できる。
野を越える時は、楽であり、山を越える時は苦労の連続で、川を渡る時は恐ろしくてなかなか渡れなくて。
などが連結した手話の流れの中で情景と感情などなどが細やかに表現される。
この連結した手話の流れ、手話の動きは、手話表現ではきわめて大切である。
ひとつの手話から次の手話に移行する間にこそその真髄が織り込まれる。
手話+手話+手話 でなく 手話~手話~手話とも言えばいいのだろ言うか。
手話表現は現在多くの人々が手話と称する手話単語の
いちぶん・いちぶんの表現のぎくしゃくした細切れ
のつなぎ合わせではないと言うことである。
手話の表現の全体の流れは、人間の細やかな感情やコミニケーションが成立させるのである。
前後左右、180度、球体。
強弱逆方向などで
逆の意味やその程度を表した知恵
では、手話の一つの単語表現に籠められた多義的意味合いの一部を紹介したい。
厚生省(以前の名称)
厚生省は、ひつとつの指を一点に止めて、もう一つの指を「やまいだれ( 厂」で描き、場所を表す。
左右の手の動きが異なった表現形態である。
団結・連帯・結束
団結は、手と手を組んで回す。(180度の転回)相手に見えるように回しても、平面に回してもいい。
この団結の他に手と手を合わしことで「仲良し」「友達になる。」(左右からの接近)
さらに団結を前から一回り回転させる(地球を描く=球体表現)ことで「国際連帯」を表したりする。
「団結」の手ががっちり組まれていない程度で、団結の程度を表したり、がっしり組まれた手が離れると「団結が崩れることになる。
この前後左右、180度、球体。強弱、逆方向などで、逆の意味やその程度を表したのである。
働く・労働
絵柄では、「働く」と「仕事」は表現されているが、この場合はものを作る生産労働は「仕事」と同義語で、比較的軽作業は「働く」=「仕事」とされていた。
物を打ちつけて、作る。「労働」
織物などや整理や様々な加工的な物との区別がされていた。
だから労働組合はこの絵柄の「仕事」+「組合」で表され、労働内容で手話表現が表されていたが、京都の伝統産業の西陣織でもそれぞれの工程によって、仕事内容を表す手話表現があった。
この「仕事」と「労働」は、縦と横の左右の手の動きで異なった表現がされた一例でもあるといえる。