手話 と 手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

差別とはなにか ろうあ者差別 部落差別 どのように考え 動するか 

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   手話と手話通訳を考えるために  1970年2月1日 社団法人京都ろうあ協会発行資料より (2)

 

   A君の結婚差別の問題は私たちろうあ者一障害者の
   基本的人権を守るうえで極めて重要な問題

 

   社団法人京都府ろうあ協会は、A君の結婚をめぐつてろうあ者の基本的人権を守るうえで極めて重大な問題に直面してその解決のためかなりのエネルギーを費やしました。
 「耳の聞えない、しやべれない」私たちにとつて日頃、憲法と私たちの暮らしがどう関連しているのか知るよしもなかつたけれど、三度にわたる憲法学習講座に参加する中で、A君の結婚差別の問題が、私たちろうあ者一障害者の基本的人権を守るうえで極めて重要な問題であり、日本国憲法を私たちの暮らしの中に生かしてゆくことの必要性を痛切に感じました。

 

     結婚差別問題について座談会

 

 そのため、私たちはもつともつと多くの人々に、ろうあ者の権利を守る問題を訴え、憲法の精神を生かし、日本を平和な、本当の生きがいのある社会にするため、憲法学習講座の討論の中で特に深く話し合われた「結婚差別問題」について1月上旬座談会を開きました。
 以下、手話通訳を介しての座談会の内容です。

 

出席者
司会 ろうあセンター職員
A 山城ろうあ協会役員
B 両丹ろうあ協会役員
C ろうあ協会理事
D ろう学校分会員
F ろうあセンター職員・ろうあ相談員
G A友人・ろうあ協会々員
H B友人
I Hの母親
E 手話通訳者

 

  ろうあ者が結婚する時の問題、ろうあ者と家族
  ろう学校とろう教育そして部落問題のとりくみ

 

 司会 寒い中集まつてくださつて、どうも御苦労さんです。
 去年の暮、A君とB子さんの結婚をめぐつて差別問題がおこり、それか京都府とろうあ協会共催の「ろうあ者憲法学習講座」で大きな問題として取り上げられるようになりました。
 今日は、特にその問題を中心に話していただきたいと思います。

  ろうあ者が結婚する時の問題、ろうあ者と家族、ろう学校とろう教育、そして部落問題のとりくみを話し合つていきたいと思いますのでよろししくお願いします。

 まず経験からCさんお願いします。

 

     二人が知らない間に結婚の話が立ち消えた

 

C( ろうあ協会理事 )

 A君とB子さんか結婚出来て非常にうれしいけれどもそれまで色々な問題かあつた。
 去年の6月1日舞鶴で行なわれたろうあ協会総会でA君とB子さんが会つたのか、そもそもの(なりそめ)です。そうだろう!(笑)
 A君はB子さんの家へ、B子さんは、A君の家へ行つたりする中で、二人は結婚を約束。
 B子さんとお母さんはA君の家に結婚のため話し合いにゆくというところまで話は発展していつた。
 けれど、二人が知らない間に結婚の話が立ち消えた。

 

   たとえA君が差別をうけていたり

     外国人でも結婚させる気はあるのか?

 

 二人ともお母さんから一方的に聞いたことで結婚をあきらめなければならなかつたが、色々考え、親が反対しても、結婚したいと考える中で今回の問題が明るみに出るようになった。

 B子さんのお母さんがA君の家に行く前の日の11月1日、ろう学校に行きそこで急に結婚に反対するようになつた。

 B子さんのお母さんは、ろう学校の先生に会い、A君との結婚について相談したとき
「たとえA君が差別をうけていたり、外国人でも結婚させる気はあるのか?」
と言う先生の差別発言を聞き、B子さんの母親はA君が部落出身であることを知り、結婚に反対するようになった。

 

    ろう学校の先生は長い間私たちに隠していた

 

 そのことをろう学校の先生は長い間私たちにだまっていたのです。

 そんな中でB子さんは、両親の圧力にたえかねてA君と結婚するため家出をしたのです。

 

     B子はゆうかいされた!と警察に「保護願い」

 

 けれどB子さんの両親は「B子はゆうかいされた!」とかで警察に「保護願い」を出すようになつた。
 しかも、警察は事実を正しく調査しないで、たまたまA君を知つている人を援助する人まで圧力を加えたりしてきた。

 

   憲法の結婚の自由は不具者(ろうあ者)には適応しないのだ

 

 その後、B子さんが「ゆうかい」でなく無事にのびのびと生活していることが明らかになつても警察は

「水平社問題ならふれないけれど、こと問題は不具の問題だ!だから保護が必要だ」

とろうあ者を差別的にとらえ、しかも、

憲法の結婚の自由は不具者(ろうあ者)には適応しないのだ」

ということを公然と言つてきました。