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手話と手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

厚生省としては各省に呼びかけて、一つ一つ理解を深めて実行させていく努力をしなきゃいかぬだろう 国会史上初めて 手話 による質問

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(国会議事録 資料と解説) 第084回国会 予算委員会第四分科会 第3号1978(昭和53)年3月31日(金曜日) 議事録より引用&解説 ろうあ者福祉、手話、手話通訳などなどのことが日本の地方議会で初めて取り上げられたのが福島。福島のろうあ協会や手話通訳者が国会議員と話し合い、いろいろなところに案内して国の福祉の改善に迫ったことはあまり知られていない。1978年予算委委員会の議事録を入手するのに苦労をしたが、今は容易に入手できる。この議事録の内容を解説と共にみなさんと共に考えて行きたい。佐瀬駿介

 

      テレビの字幕または手話通訳が15分だけ
  もっと見られる時間 

       時間を延長してほしい

 

○下田京子君 大臣、積極的にそうした聴覚障害者含めて障害をお持ちの皆さんが一般の人たちと変わりない本当に暮らしができる方向で、私が提案した三つのことも積極的に対応していくという御答弁いただいたと思うんですが、その際に、再度決意のほどをお伺いしたいわけなんですが、実は具体的に申しますと、たとえば聴覚障害者の皆さん方いろいろ出されている御要望で、次の幾つかのことがあるんです。

 

  申しますと、現在テレビで字幕または手話通訳というのがなされるのはNHKの金曜日の四時半ごろ十五分しかないんです。

 

 それをもう少し時間を延長してほしいとか、あるいはもっと見られる時間――四時半などというとお仕事しているときですから、そんな要求があります。すると、これは郵政省でございます、こういうふうに言われます。
 
   選挙の際には   立会演説会場に手話通訳を

 

 それから選挙の際には、ひとつ御要望あれば立会演説会場にも派遣するとか、これはもうずいぶんやっていますけれども、あるいはいろいろと通訳事業がやれるようにというふうなことで、細々話していくと、それは自治省でございます。

 

    口話がいいのか指話がいいのか

    手話がいいのか
      三カ月健診や一歳、三歳児の健診
        準禁治産者  財産相続権

                 いろいろな問題、調査

 

  あるいは教育の問題で、口話がいいのか指話がいいのか、手話がいいのかと、いろいろ議論がございます。これは文部省でございます、こうなります。

 

  また、障害というのは早く見つければ、早く見つけて早くそれなりのいい処置がなされればそれだけ効果が早いわけです。

 

 となると、三カ月健診や一歳、三歳児の健診どうの、これは厚生省になりますけれどもというふうなぐあいで、いろいろと各省庁に分かれているわけです、要求が。

 

  特に、いま最初に申しましたけれども、民法の第十一条の問題につきましては、聴覚障害者イコール準禁治産者ということでもって財産相続権も、あるいは銀行から借り受けることもできないという大きな問題があるわけです。

 

 これは法務省でございますなどというような調子ですと、もうどうにもなりません。

 

  そこで、こういったいろいろな問題、調査なさいますというお話だったので、その際にいろいろあるけれども、これはあちこち分けないで、そういうことも含めて、障害者の本当に切なる要求であり、大臣が言われております本当に自立ができるような方向で責任を持って各関係省庁にも働きかけて、厚生省窓口になって、大臣がその解決のために御努力いただきたいと思います。

 

 その決意のほどを。

 

     聾唖者の福祉対策というのは
   私どもが責任を持ってやらなきゃいかぬ

 

国務大臣小沢辰男君) それは聾唖者の福祉対策というのは、これはもう私どもが責任を持ってやらなきゃいかぬことですね。

 

 その福祉の一環として手段、方法の中に、各省といろいろ関連がある問題が出てくると思うんです。

 

 従来は、各省庁に分かれる問題は何でも大体総理府ということにいつもなります。

 協議会を総理府に置いてそこへ集まってやるんだ、こうなっておるんですが、私は余りまだるっこしいことをしないで、できるだけ厚生省が努力すべきだと思います。

 しかし、それをやらず権限はなかなかないんです、厚生省は。

 

   各省に呼びかけて

一つ一つ理解を深めて実行

 

 テレビに一日中やれと言ってこっちが命令する、自分が持っているわけじゃないですから、そういう点はありますから、協力を得なきゃいかぬと思いますが、できるだけひとつ私どもがまとめて、そしてそれを各省に呼びかけて、一つ一つ理解を深めて実行させていく努力は、これは厚生省としてはしなきゃいかぬだろうと思うんです。
 
    実際に聴覚障害者の皆さんの希望を
    実態をお調べいただくとわかる

 

 ただ、先生ここでいま手話の問題が非常にずっと議論されてきましたが、私も実は聾唖者の学校の校長先生と仲がよくて、何回か行ったり、話も聞いたり実態を見たりしたことも、相当前ですけれどもございますが、手話に頼り過ぎて、本来何といいますか、もっと……

 

○下田京子君 口話

 

国務大臣小沢辰男君) そういう訓練をしていく努力がなくなっては、これはやっぱりいかぬという説もあるんです。

 

 したがって、そういう面はよほど私どもも考えていかなきゃいけない。

 

 あんまり手話に頼り過ぎますと、これは幾ら努力しましても、あらゆる日常の生活活動の分野に全部一人ずつ通訳を連れて歩くなどということはとうていできないんですから、そういたしますと、やはり手話に頼り過ぎてかえって福祉のためにならぬようなことになってもいかぬ。

 

 この辺は専門家でいらっしゃいますからよく御存じだろうと思うんですが、両々相まっていかなきゃいかぬだろうと思っておるわけでございます。

 

    一般的に

本当にわかりやすいものとしては手話
          相手との意思伝達ですから

 

○下田京子君 実はそのことも含めて、実際に聴覚障害者の皆さんの希望を、実態をお調べいただくとわかると思うんです。

 

 というのは、聾唖者の教育の現場においていろいろと議論もございますし、口話も必要、手話も必要、指文字の指話、それも必要と、いろいろあるわけですけれども、現在段階で一般的に本当にわかりやすいものとしては手話です、相手との意思伝達ですから。

 

 口話だけでいきますと、これで全部口の形で聞き取るということは大変なことになると。

 

 聞き取りそして話すということになるわけですから、それはもう当然のことでございます。

 

 その論議も含めて、総合的に、とにかく最初に申しましたように、聴覚障害者のそのかわるべきものとして手話通訳の問題を、制度化の問題を中心にしながらその改善をお願いしたところです。

 

 だから、もちろんそのほか、たとえばいろんな器具もございますよね、器具の改善なんかもほしいですし、いろんな角度からの検討が必要だということは申すまでもありませんので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

 

  次に移りたいと思いますけれども、同じ身体障害者のことですが、雇用問題でお尋ねしたいと思います。 

                                               ( 以下略 )