手話 と 手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

戦前の人々やろうあ者の受けた惨い仕打ちを胸に 兵隊 親類 乞食 刑事 京都の手話

手話を知らない人も

  手話を学んでいる人もともに
 {新投稿}ー京都における手話研究1950年代以前の遺産と研究・提議 佐瀬駿介ー

 

  兵隊の手話になると途端に厳しい表情になる。戦地に向かう兵隊を見ていた経験があるのだろうか。穏やかでない表情と菊の紋章の入った銃をしっかりと身につけた姿で兵隊を表している。

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  乞食。金銭や食べ物を「めぐんで」もらうために右手で鐘を鳴らし、左手でお椀のような「めぐん」でもらう物を持って乞食を表現している。この場合は、目の見えない人の表情をしている。

 

 ろうあ者も京絵巻に乞食をしていた様子が描かれていたと明石欣造さんは言う。


 親戚。

 

 人差し指を頬の上から降ろして(赤・血・血すじ)と人々で親類を表している。手の拡げ工合で親類関係が、身近な親類か、遠い親類かを表す。

 

 この場合、かなり遠い親類も表していることが右手の拡がりで分かる。

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刑事。刑事の人相は良くない表情。

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 警官と分からない姿なので、ろうあ者はよく痛めつけられたり、犯罪者としての予断からひどい目に遭ったことがあるとのことで、表情は憎しみが交差すると言う。

 

  なお、胸の二本指の交差は、「井」を表すがマークではない。

 

 刑事の「刑」は、手かせや・足かせを使って罰を加えるという「しおき」の「足かせの井」の漢字の語源を踏まえて表しているのである。

 

 このように漢字を特徴的にとらえて手話表現することは数多くある。

 

 胸にしおき。

 みせしめのため、こらしめること。

 おしおきを胸にあてる手話。

 

 戦前の人々やろうあ者の受けた惨い仕打ちを胸に、とも読める手話である。