手話を知らない人も
手話を学んでいる人もともに
{新投稿}ー京都における手話研究1950年代以前の遺産と研究・提議 佐瀬駿介ー
着物。
着物を着る
着物の前合わせ、によって最後の写真の手の位置が異なってくる。左合わせ、右合わせ、などの表現であるが着物を男女ともに着ていたからこそ出来る手話である。
着物を着る時の動作が表現されている。単に肩のラインで交差させていないところを見てほしい。
少しの違いが、大きな意味を持っている手話である。
戸。
戸を開ける 締める 閉ざす 開く
今日のような一方だけ閉める戸ではなく、左右を合わせて閂(かんぬき)をする。
この動きを逆にすると「戸を開ける」ということになる。
ここから、閉める、開ける、締める、閉ざす、開けるとなり、「こころを閉ざして」「こころを開いて」などに発展的に使われた手話である。
ズボン。
ズボンに足を真っ直ぐに入れてはく。
スーッとはく心地よさを表現している。なお、袴、モンペなどは別な手話がある。
会計。
計算 計算をする 算盤をはじく
ろうあ協会でも会計担当は重要な役員であった。
少ないお金の出し入れで、ろうあ協会を維持していくためには計算して帳簿を付けるろうあ者は少なかった。
ともかく、会計は、算盤をはじく、手話である。
従って、計算する、算盤をはじく、時には、人差し指などで横に動かし、算盤を元に戻すことから清算する、もう一度やり直す、などの意味でも手話が使われた。
明石欣造さんの手話では、五つ玉算盤を想起させる。
下駄。
人の足を載せる部分を台、台の下に付けるのが歯。
その歯の部分を表現した手話。
開いた手の動きから二つの歯が高く、高下駄を表現している。女性の場合は、歯の大きさを小さくしたり、鼻緒で表現したりした。
京を高下駄を響かせながら歩く旧制高校の学生への憧れからよく高下駄が履かれた。
現在では、調理場用として使われいると京都の下駄屋さんが言っていたが、時代を感じさせる手話である。
なお、京都の舞妓さんの履物のぽっくり、こっぽり、などは履き物の独特の形で表されていた。