手話 と 手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

こころをつなぐ 「同じ」 という 手話

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  手話を知らない人も

     手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

   「同じ困っている」点からもう一度

 

「ろうあ者のCさんの話も、向かいの聞こえる奥さん話も、どちらの言っていることにも理解できることがある。聞こえない、聞こえるという違いを強調するのではなく、その共通点から考えてみよう。」

 

と大矢さんと一致して、

 

 困っている点では「同じ」なんだから、まず、「同じ困っている」点からもう一度、Cさん宅を訪ねてみよう、

 

と言うことになった。

 

  タイヤに空気を入れることすらも

 

 数日後、再びCさん宅を訪ねた。自転車のタイヤがへこんでいた。

 

 調べてみるとタイヤの空気が抜けていた。

 

 Cさんは、自転車屋でタイヤに空気を一度入れてから空気を入れるポンプを借りて空気を一度していないことが解った。

 

 そこで、自転車屋さんに行き、事情を説明して、ポンプを借りて空気を入れる方法をCさんに知らせた。

 

 Cさんは、タイヤに空気を入れてもが自然に空気が抜けることを知らなかったのである。いじめでパンクさせられているわけではなかった。 

 

いじめでなかった
 テレビの映りが悪くなったのは

 

  Cさんの家の屋根のアンテナをよく調べると傾いたままになっていた。

 

 アンテナを支えるコードを引っ張って調整すると、アンテナは真っ直ぐになりCさんはテレビがよく映るようになったと喜んだ。

 

犬ののどをそっと触ってもらい
 犬の尻尾がCさんの顔に来るように

 

 次の難問は、犬が吠える、と言うことを知らせることだった。

 

 Cさんに犬ののどをそっと触ってもらい、犬の尻尾がCさんの顔に来るようにすると犬が吠えはじめた。

 

 Cさんも大矢さんも、犬がCさんに顔を向けていない時に吠えると言うことを知った。

 

  向かいの家に謝りたい、とCさん

 

 それからまもなくして、Cさんは、向かいの家に謝りたい、と言いだし、向かいの家の奥さんと会った。

 

 Cさんが謝る様子を見て奥さんは、

 

「狭いとろで住んでいるんですすから、お互い様です。こちらもすみません」

 

と笑顔で話された。

 

 しばらくして、Cさんの家の釘や鉄条網はCさん自身が取り除いた。

 

 これが、「ワンワン物語り」だけれど、大矢さんも私もいろいろなことを考え込んでしまった。

 

 その後、大矢さんとも問題が生じ、対立したがいつもお互いが、「ワンワン物語り」と言って一致点を見いだした。

 

 私は、「同じ」という手話がどれだけ大切で、手話の基本になるかを身にしみて感じた。