手話 と 手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

耳だけが悪ければいいけどと……

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 手話を知らない人も

              手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

 ある日。聴覚障害児のお母さんが訪ねてきた。

 

他にも障害があるので幼稚部
          入学が断られた

 

 聞けば、

 

「ろう学校の幼稚部に入りたいけれど、うちの子どもは他にも障害があるので幼稚部に入学できないと断られたんです。」

 

「耳だけが悪ければいいと言うことなんですが……」

 

と言われた。

 

聴覚以外の障害もあるからダメ

 

 よくよく聞いてみると聴覚障害児の教育は早期教育が大切だと聞いて、ろう学校の幼稚部を訪ねたけれど「聴覚以外の障害もあるからダメだ。」と断られてお母さんは藁をもすがる思いで話された。

 

 私も、その場にいたろうあ者も非常に驚いた。

 

「なぜ、他にも障害があるとダメなんだろうかと」

 

と考えた。

 

インデグレーションという
   用語が初めて明らかにされたころ

 

 ろう学校に問い合わせてみると「幼児の場合は、聴覚障害以外の障害があると言語指導の効果がないからお断りしています。」「聴覚障害以外は、ノーマルでないとダメです。」と言われた。1969年の頃である。

 

 この頃、文部省は教育に関する協力者会議の審議結果としてアメリカの黒人の公民権問題でしばしば使われていたインデグレーションという用語を初めて明らかにしていた。