手話 と 手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

全日本ろうあ連盟 は手話に籠められた意味と体現と哀しみを知ってこそ 優生保護法 不妊手術

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手話を知らない人も

      手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議佐瀬駿介

 

 2018年7月1日付け日本聴力障害新聞(発行所一般法人全日本ろうあ連盟の「新しい手話」創作 旧優生保護法と「不妊(手術)」を見て驚いた。

 

 一般法人全日本ろうあ連盟はすでに表現されてきた手話を、なぜ、今になって「新しい手話」として掲載するのか大いなる疑問を抱く。

 

優性な人間を守り劣性な人間は
捨てられる、切り捨てられるという手話

 

 手話は、全国各地でろうあ者の体験やねがいや哀しみなどさまざまに表現されてきた。

 

 だが、表現に違いがあってもその意味することは共通していた。

 

 優生保護法は、人差し指を人に例えて一方を上にして、もう一方を下にして上にした人差し指を護る・保護する 法と表現されてきた場合もある。

 

 地域によるが、優性な人間(上=上位)と劣性な人間(下=下位)を手話で現し、優性な人間を守り、劣性な人間は、捨てられる、切り捨てられるという手話表現では共通していた。

 

 その優生保護法を旧優生保護法とするならば、古い・以前のという手話を最初に現せばいい。

 

劣性な人間は
捨てられる、切り捨てられる
手話がかき消されて

 

 だが、全日本ろうあ連盟の「新しい手話」(旧)優生保護法は、「いい・上から下への半円を描き・守る・法」としている。

 

 上から下への半円を描く手話は、遺伝を表現しているのかもしれないが、これではいい遺伝を守る法となってしまい、劣性な人間は、捨てられる、切り捨てられるという手話がかき消されてしまうことになる。

 

 卵管や精管を切られるという

ろうあ者の哀しみの実体験を表現した手話

 

  「不妊(手術)」の手話は、すでに「手話と手話通訳」で述べてきたが、この手話は1969年を前後して全国各地で共通して表現されてきた。

 

 繰り返すが、人差し指と中指を伸ばし、後の指は折り曲げて、はさみ。それを合わせる事で「切る」。

 

 両手ではさみを表現して下腹部で切る。すなわち、卵管や精管を切られるというろうあ者の実体験を表現した手話であった。

 

全日本ろうあ連盟は
優生保護法の時代に

不妊手術を受けさせられた多くの人々の

  苦悩の歴史に立ち返って

      手話を考えているのか

 

 だが、全日本ろうあ連盟の「新しい手話」「不妊(手術)」は、「両手2指を素早く斜めに下に出しながら閉じる」とされ、切るという重大な意味が表現されていないのである。

 

 しかも解説では、「手話は、子宮と卵管を断ち切るさまを表す保存手話」とまで書いている。(これでは男性が不妊手術を受けさせられていなかったとなってしまわないだろうか。)

 

 全日本ろうあ連盟は、優生保護法の時代に不妊手術を受けさせられた多くの人々の苦悩の歴史に立ち返って手話を考えているのかと吐息しかでないのはなぜだろう。

 

 全日本ろうあ連盟は、「新しい手話」を次から次へと出して「新しさ」を強調するが、新しい、と言う事が先行してろうあ者が生きてきた歴史的手話を数え切れないほど絶えさせてしまっているかもしれないと大いなる危惧感を抱く。

 

 「新しい手話」とするならば「古くからある手話」の歴史と知恵と哀しみを充分踏破すべきだろう。