手話 と 手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

聞こえない人が自分で出来ることまで奪っている  I IOVE コミュニケーション中学生高校生手話テキスト

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 手話を知らない人も

                   手話を学んでいる人もともに     From hand to hand{伝えておきたい手話と手話テキストのことの覚え書き}

 

  聞こえない人の出来ることまで
  奪ってしまうのでは

 

 手話学習講座に参加していた時に

 

「聞こえない人の聞こえないということは、聞こえる人には理解出来ないこと、」

 

「だから聞こえる人が聞こえない人を理解しないといけない。」

 

と言う講師のかたの話を聞いていたある人が、

 

「そんなことばかりしていたら聞こえない人が出来ることまで聞こえる人がしてしまい、聞こえない人の出来ることまで奪ってしまうのじゃないかなあ」

 

と言われていたことを少し思い出しています。

 

 友子さんは、ろう学校を卒業した先輩を訪ねます。

 

同じ演劇クラブで、2年前にろう学校を卒業して、今は、 縫製工場で働いている先輩の川本まさ子さんを訪ねました。

 

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「ひさしぶりね。もうすぐ耳の日記念集会だけど、今年はどんな劇をするの?」

 

「ええ………まだ決まっていません。先輩はどうですか。会社では、先輩の他に耳のきこえない人はいないんでしょう。きこえる人たちばかりでさびしくありませんか?」

 

  口の動きがよめるんです
 手話 できたらおぼえて下さい


「さびしくなんかないわ 友だちもいるし……」

 

「友だち!? きこえる人ですか?」

 

「そうよ」

 

「どうして友だちになれたんですか。その人とは手話で話をするんですか?」

 

「はじめて親しくなったのは、私のとなりで仕事をしている吉岡さん。
 私の言っていることが吉岡さんに通じるかどうか心配で、話をすることができなかったの。
 吉岡さんも話かけてくれないし、けれども入社して3日目のことだったわ」

 

吉岡「おはよう」

 

川本「おはようございます」

 

吉岡「わあ、僕の言っていることがわかる?」

 

川本「口の動きがよめるんです」

 

吉岡「でも、僕、早口だから…」

 

川本「ぜひ、お願いしたいことがあるんです。私たちには、手話があるんです。できたらおぼえて下さい」

 

「それから仕事の内容とか、くわしいことは筆談で教えてもらっているけれど……吉岡さんも一生けんめい手話をおぽえてくれているの。今では、簡単な会話は手話でしているのよ」

 

「次に親しくなったのは、医務室の看護婦の橋本さん。」