手話 と 手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

きこえない人がきこえる人たちの中でどのようにがんばっているのか I IOVE コミュニケーション中学生高校生手話テキスト

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 手話を知らない人も

                   手話を学んでいる人もともに  From hand to hand {伝えておきたい手話と手話テキストのことの覚え書き}

 

  「口の動きがよめるんです」「でも、僕、早口だから…」「ぜひ、お願いしたいことがあるんです。私たちには、手話があるんです。できたらおぼえて下さい」
との会話は、なんとなく見過ごすしていました。

 

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  私たちには、手話があるんです。できたらおぼえて‥‥‥という話のやりとりに人としての会話と理解の第一歩があるとI IOVE コミュニケーション中学生高校生手話テキストで暗示されているようです。

 

  手話による会話が広がる切っ掛け

 

 友子さんの先輩の川本まさ子さんはさらに次のようなことを話しています。

 

 仕事中、私は急にお腹が痛くなって、医務室に行ったの。すると、いきなり『どうしたの』と手話で話しかけられたの。びっくりしたわ。その橋本さんは、地域の手話サークルに通っていたの。私は、お腹の痛いのも忘れて、橋本さんの手を引っぱって、課長さんのところに行ったわ」

 

「課長さんお願いがあります。橋本さんは、手話ができます。話していてとてもよくわかります。朝礼の時、この人に手話してもらってかまいませんか?」

 

「うちの会社にも手話のできる人がいるのかね。知らなかった。かまわないよ」

 

「よろしくお願いします」

 

 と会社での手話によるコミュニケーションはひろがり初めるのです。

 

  私もみんなにお願いをしてまわっているの

 

 「でもねえ、困ってることもたくさんあるのよ。橋本さんは看護婦でしょ。いつもは医務室にいる。だから手話通訳をしてもらえなくて…。だから仕事をしている時は、筆談が中心なの。私と仕事の内容がわからない時、教えてもらおうと思っても、まわりの人たちがいそがしそうにしていると『「紙に書いてほしい』となかなか言えないのよ。休けいの時、みんなが楽しそうにしゃべっていても、何をしゃべっているのかわからないのでさびしいわ。
 それに、私の家では、お父さんもお母さんも耳がきこえないでしょ。休む時の連絡もとなりの家の人にお願いにいかなくてはならないし……困ることもいろいろあるのよ。」

 

 先輩から悩みが打ち明けられますが、

 

「でもねえ、もっとうれしいことがあるわ。今、吉岡さんが、会社の中に手話サークルをつくるように呼びかけてくれているの。私もみんなにお願いをしてまわっているのよ。もし、サークルができたら、みんなに手話をおぼえてもらうの。」

 

と話すろう学校の先輩。

 

 友子さんは、先輩に悩みを言わないでしまいます。

 

 最初、I IOVE コミュニケーション中学生高校生手話テキストを読んだ時には、友子さんが遠慮して先輩に話をしなかったと思っていました。

 

 でも、友子さんは、先輩の話を自問自答しながら考え自分なりの答えを見つけたのではないかと思うようになっています。

 

 そして、ろう学校の先生が「きこえない人がきこえる人たちの中でどのようにがんばっているのか知ってるだろう」と友子さんに言った意味も解りかけています。