手話 と 手話通訳

手話通訳の取り組みと研究からの伝承と教訓を提起。苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを忘れることなく。みなさんの投稿をぜひお寄せください。みなさんのご意見と投稿で『手話と手話通訳』がつくられてきています。過去と現在を考え、未来をともに語り合いましょう。 Let's talk together.

みんなが平等になるため ろうあ者集団と手話通訳者集団が、相互の立場の尊重・対等・平等・公正・自由に話し、相互の共通事項の確認

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 京都府ろうあ協会と全通研京都支部による

       相互の立場の尊重
         第1回定期協議の開催

 

 全通研京都支部が結成されたのは1976(昭和51)年。

 全通研京都支部の結成は、京都を網羅する手話通訳者の集団が確立したことになった。
 そのため翌年の1977(昭和52)年10月23日、伏見労働セツルメントにおいて京都府ろうあ協会と全通研京都支部の第1回定期協議が行われた。

 

    ろうあ者集団と手話通訳者集団が

     相互の立場の尊重・対等

 平等・公正・自由に話し、相互の共通事項の確認

 

 ろうあ者集団と手話通訳者集団が、相互の立場の尊重・対等・平等・公正・自由に話し、相互の共通事項の確認を積み重ねるという歴史的で、画期的な話し合いが開催されたのである。
 京都府ろうあ協会と全通研京都支部の第1回定期協議は、「京都における手話通訳活動の若干の問題と今後の発展のために―府ろう協、全通研京都支部第一回定期協議に向けて―」をテーマにされた。
 そして、この京都府ろうあ協会と全通研京都支部の第1回定期協議開催の理由が次のように明らかにされた。

 

    手話通訳の保障

  の実現がはかられはじめるようになってから8年の月日

 

 手話通訳の保障を求めるねばり強い運動を始め、その実現がはかられはじめるようになってから8年の月日が流れた。


 この間の手話通訳活動はとまどいを示しながらも大きく前進してきた。


 これは、なによりも切実な要求を背景にしたろうあ運動の高揚とともに手話通訳者が互いにスクラムを組み運動と連帯してきたためではないだろうか。

 京都府下における手話通訳者の自治体配置、ろうあセンターの事業の発展、手話サークルの拡大などをみても全国的に京都は進歩しているし、そのための役割は大きい。

 このことはゆるがせない事実であるがこそ、今日の京都の到達点を明らかにしつつ、さらに一歩前進してゆかなければならない。

 

そのためのものが今回の第一回定期協議である。

 

    失われたり 失われつつある手話通訳者に対する

   ろうあ者の信頼を相互に回復する

 

 ろうあ者集団と健聴者=手話通訳者集団の、相互の立場の尊重と対等・平等の原則は、この定期協議の前提である。 ~以下略 

とされ、さらに、

 

「この間、失われたり、失われつつある手話通訳者に対するろうあ者の信頼を相互に回復すること、手話通訳者集団の確立とろうあ者集団とのかかわりを明らかにすることが獲得目標である。」

としていた。
 

京都府下各自治体に手話通訳者が配置され、手話通訳が行われてきたが、ろうあ者としての思惑、手話通訳者としての思惑を率直に話すことも確認された。
 
 そのため第1回定期協議では、

 

・ろう協婦人部から、近畿婦人大会が7月23,24日あるので手話通訳をYさんとIさんに頼んであったのに断られたこと。

 

自治体手話通訳者の定期研修会で、意見交換されたレポートは、「京都府下における自治体通訳者の現状と課題」と題するものであったが、この時点では、京都の自治体のすべてが到達している内容をまとめることはできなかった。

 

自治体に手話通訳者が置かれているけれども、なかなか手話通訳保障の内容が充実しない。
  京都として、やはり、自治体の手話通訳者のあり方、活動の方法どうなのか研究が必要。

 

・一人職場で悩んでいる京都の手話通訳者の実情と、集団化して研究し全国に発信していく役割。

などなどが豊富に話し合われた。

 

       京都府下における自治体通訳者の現状と課題

 

 この第1回定期協議をうけて、京都の自治体手話通訳者たちは、1977(昭和52)年の第10回全国手話通訳問題研究集会にレポートを発表する。

   レポートの「京都府下における自治体通訳者の現状と課題」では、次のようなことが明らかにされていく。