手話を知らない人も
手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介
「福祉優先の時代来たる」と言うが
受益者負担主義が貫かれて
通訳間題分科会 間題提起③ 一山口手話友の会 綾城明美一
手話通訳者論をめぐって
1. 国家予算と社会福祉一一現在「福祉優先の時代来たる」という見方があり国家予算も2兆円と伸びたが、 福祉予算の比率は14%で例年と変らない。
5万円年金にしても受益者負担主義が貫かれている。
2. 手話通訳の行政保障と運動一一福祉優先の見方は福祉社会実現の運動を弱める欠陥をもっており、通訳者はサークルの発展や多数の通訳者の養成など一層その運動を高めねばならない。
特に我々通訳者は専任通訳者の行政保障についてろうあ者と連携しながら国民運動にしていくべきである。
一部には手話通訳者の連動的側面を否定する者もあるが、 通訳者はろうあ者と運命共同体であるから、 その権利の獲得と生活擁護のため共に運動する事は当然である。
手話通訳者はコミュニケーションの
機械的伝達機関ではない
3. いわゆる中立論について一一手話通訳者は単にコミュニケーションの機械的伝達機関ではない。
もともと手話はろうあ者にとってその人間性の発揚であり全人格そのものであるのにこれを単に機械が示す暗号に化してしまう事は問題である。
すぺての人間を尊重しあう
ろうあ者と運命をともに
4. 通訳者の資格制度について一一通訳者の研修は自主的、自発的なものであって競走主義的な意味での資格制度論は容認し難い。
ろうあ者連盟の通訳者に対する基準や、行政保障要求上必要な任用基準の際は問題となるかもしれないが、 通訳とは
「すぺての人間を尊重しあうろうあ者と運命を共にし、そのための円滑な会話力を有し要求実現に臆せず行動する」
というような自由で集団的なものを基準に据えることが大切である。
手話通訳者が
特定政党に片寄つた思想の持ち主では
と思想信条の自由を否定する
5. 通訳者の理念一一通訳者の理念を確立しなければならない。
例えばろうあ者の運免連動があるが、それが民主的に組織的に出されている要求である以上、共同体である我々が異論を唱えることは納得出来ない。
6. 通訳者の思想信条の自由について一一Y県:では昭和44年12月の衆議院選挙から立会演説会に手話通訳をっけたが、 特に
「手話通訳者が特定政党に片寄つた思想の持ち主では困る」
という見解、通訳者に対する思想信条上の問題として疑問を残したままである。
思想信条の自由は意法にも保障されているがこのクレームは問題である。
かかる意味でY県選管の見解、態度は通訳者集団の質量的な発展のためにも通訳者共通の反理念として抗議する姿勢が求められる。
又組織内では 「手話通訳者の手得と理念」 を出して、統一と連帯を深めるこ とが必要である。