ある聴覚障害者との書簡 1993年 寄稿
道路拡張にともなう住民説明会②
ろうあ者の人びとの手話を止めようとするなんて
住民説明会。参加した人と一緒の気持ち。
ろうあ協会の3人が、そうだそうだ、おんなじことばかり言っている、私も困る、そんな計画なら反対と手話をした。
手話通訳の人が「手話をやめなさい」「ここは役所の説明会です」と言いはじめた。
手話通訳の人は、「そうだそうだ、おんなじことばかり言っている、私も困る、そんな計画なら反対」と通訳はしない。
ろうあ協会の人に「手話をやめなさい」「ここは役所の説明会です」と押さえるのはいくら何でもやり過ぎですね。
このことをとても怒っているあなたの気持ちは充分わかります。
自分たちの言っていることを通訳するべきだ
役所の話だけ聞くのが住民説明会なの、住民の意見を聞いてこそ住民説明会では、なぜろうあ者の人の意見(手話)を止めさせるの、という意見はその通だと思います。
役所に呼ばれたから役所の言っていることを手話通訳する、と手話通訳のかたが言っても通用しません。
同情の余地どころか手話通訳されることにも問題を感じます。
住民説明会に参加した聞こえる人の声は、役所の人に聞こえているはずだから
「自分たちの言っていることを通訳するべきだ」
とろうあ協会のかたたちが言われたのは「あたりまえ」のことだと思います。
「自分たちの声」を書き付けて振りかざした
それでも、手話通訳のかたが「通訳」しないので、手元にあった紙に「自分たちの声」を書き付けて振りかざしたろうあ協会の人たちにエールを送ります。
書き付けを振りかざしたろうあ協会の人たちに、役所の人がやって来て取り押さえようとした。それを見た参加者の人が逆に役所の人を制止して会場は騒然となったらしいですね。
ろうあ協会の人たちの意見-「声」を役所の人たちがどのように考えているのか明らかになった出来事ですね。