手話通訳研究28号より
ろうあ者が直接地方行政に働きかけ
手話通訳制度化をつくりあげる
2、ILOVEパンフ運動をすすめるまでの若干の経過
戦前、ろう教育が、ろうあ者の意志とは別に手話法から口話法へと転換された頃に、手話を社会的に認知させようとする動きは野火のように広がりを示した。
しかし、それが手話通訳制度への要求となるためには少なくない月日を必要とした。
全国各地で名称はともかく、手話や手話通訳を行政の手で、行政に手話通訳者を配置してほしい、という運動はろうあ者を中心に次第に高まり、1962年7月10日福島県議会、1966年12月21日京都府議会における代表質問へと結実する。
この時期は住民であるろうあ者が直接地方行政に働きかけ、手話通訳制度化をつくりあげる基礎的条件を作り上げてきた「地方自治レベルの時期」と言える。
国 厚生大臣 手話通訳の専門性と
手話通訳者の身分の位置づけを約束
地方自治レベルで取り上げられた手話や手話通訳の問題が国政レベルで取り上げられる以降は、社会的にもろうあ者問題、手話、手話通訳の問題は大きな脚光を浴びることとなる。
手話通訳が制度的に整備してゆく、いわゆる手話通訳の制度化の問題が国政レベルで取り上げられるようになったのは、1981年2月14日の参議院での質問であり、福島県議会での代表質問から19年の月日が過ぎていた。
しかし質問内容は歴史的成果をふまえ説得力のあるものであったため、厚生大臣は、手話通訳の専門性と手話通訳者の身分の位置づけを柱の方向を国として検討することを約束した。
厚生大臣の約束は
厚生行政側のイニシヤチブに変貌
その後、手話通訳制度化に関して2度にわたる国会質問が行われたが、その都度厚生省側の答弁は変化し、厚生行政側にとってイニシヤチブが発揮されやすいような方向性が打ち出されたように思われる。
この間の動きは大変微妙な問題が多くあり、今日的解明が求められている。
国・厚生省が
手話通訳制度化検討を全日本ろうあ連盟に委託
厚生省の元幹部が検討の委員長
結果的に、厚生省は手話通訳制度化検討を全日本ろうあ連盟に委託、厚生省の元幹部を委員長に「手話通訳制度検討委員会」発足。1985年に「手話通訳制度検討報告書」が発表されるに到った。
(少し学んだこと)
アイラブパンフに注目していましたが、パンフを読んだ人々に次のような意見をおねがいしていたことはとても大切でした。
ろうあ者と話したことがあるのか、手話を見たことがあるのか、手話通訳を制度化することについてなどの質問に対して、たとえ、偏見なことや誤解が書かれたり、不必要だとされても、そのまま受けとめ、膨大な印刷して学び直すという大運動だったのです。
パブリックことメントがさかんになっていますが、そのすべてを知らされることは少ないです。
でも、すべてをまるごと受けとめる。年齢順に整理して。小学生、中学生、高校生、大学生、社会人ー10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代、80代、90代、100代、日本のすべての人々の職種、職域までも網羅したろうあ者や手話や手話通訳にたいする率直な意見を聞き、学び直すという大学習運動でもあったのがアイラブパンフ運動だったのですね。
今、アイラブパンフに意見を寄せられた方がどのように思って織られるのか、まで知ることが出来るのですね。
ハガキに書いていただくというのは、たしかな考えを受けとめる大運動でもあったのですね。パンフの普及だけに注目していたことを恥ずかしく思います。
アイラブパンフ返信用ハガキ
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ハガキをきりとって。あなたのご意見・ご感想をお寄せください。どんなことでも、貴重な資料として手話通訳の制度化に生かしていきたいと思います。
あてはまるものに○印を入れてください。
●あなたはろうあ者と話したことがありますか?
(はい・いいえ)
●手話を見たことがありますか?
(はい・いいえ)
●手話通訳を制度化することについて
(賛成・反対・どちらともいえない)
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このパンフレットをよんでどんなことでも結構です。 あなたのご意見.ご感想をお書き下さい。
※ 以下書き込み罫線
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