全国手話通訳問題研究会運営委員会報告(1994年2月24日)「ILOVEパンフ運動その成果と教訓のための序説」を読んで
つぎつぎに寄せられた
アイラブパンフハガキと日本の人々からの意見
全国手話通訳問題研究会運営委員会報告(1994年2月24日)「ILOVEパンフ運動その成果と教訓のための序説」には、
5、ILOVEパンフ運動の広がり
120万人にパンフを広めるということは、全国手話通訳問題研究会や全日本ろうあ連盟にとっては、壮大な取り組みを必要としていた。
特に全国手話通訳問題研究会としては、全日本ろうあ連盟と違い、従来広範な人々へ働きかける「外への広がり」を組織的にすすめた経験を持っていないという「遅れた状況」を抱えていた。
全日本ろうあ連盟と共同行動をとる点で多くのズレを生みだした。
各府県の取り組みでアイラブパンフの促進
全国手話通訳問題研究会は、全国に支部組織が確立していなかったこともあり府県でのろう協との共同行動をとる上で多くのアンバランスが生じた。
そのため、全国手話通訳問題研究会にとっては、全国組織の確立と同時に「外への広がり」という二重の課題を、ILOVEパンフ運動の中で達成しなければならなかった。
合同本部の当初計画とは別にILOVEパンフ運動の訴えは、各府県で共感を呼び、パンフは、様々な創意工夫をこらしたビラやポスタ-とともに大きな広がりを示し、全国各地から意見ハガキが次第に集まってきた。
1985年9月からの3カ月間に2019人、その後の3カ月間には3220人と増加の一途をたどりだした。
それを受けてILOVEパンフは、10万単位で刷り増しを行った。その度にパンフに修正を加えて、より親しみが持てるように工夫した。
北海道
深雪を蹴って市町村単位の運動
合同本部の意向を受けた北海道では、深雪を蹴って市町村単位にILOVEパンフを広める運動をすすめ、村の圧倒的多数の人々にパンフを読んでもらい、村ごとろうあ者問題や手話通訳問題を理解してもらう取り組みをすすめた。
その経験を全国に広げるなどの大きな成果をおさめた。
また、長崎、石川、福岡、北海道、香川、愛知、大阪、山口では、ILOVEパンフ運動の取り組みにより、それまでどちらかといえば減少傾向にあった手話通訳講習会の受講生が増加傾向に変えるなどの変化を生み出した。
手話通訳制度化の取り組みは総合的
アイラブパンフ運動で明らかになった
ろうあ者問題やろうあ者の家族問題
ろう教育の問題はその解決を
ILOVEパンフ運動を展開し、1年2カ月後の1986年11月22、23日には全国手話通訳問題研究会として中間集約と全国交流を行った。(全通研会報10号 全通研ILOVEパンフ運動緊急交流会 参照)
そこでは全国各地の取り組みと今までの取り組みの全面的分析を行った上で、次の点が強調されています。
① 手話通訳制度化の取り組みは総合的な取り組みによって実現するものであり、ILOVEパンフ運動はその一環である。
② 全日ろうあ連盟と全国手話通訳問題研究会はこのILOVEパンフ運動を通じて初めて共同行動をとり、真の協力関係をめざせるようになり全国手話通訳問題研究会も従来にない高いレベルの取り組みが出来るようになってきていること。
② ILOVEパンフ運動で明らかになったろうあ者問題やろうあ者の家族問題、ろう教育の問題はその解決をめざし、取り組みと働きかけを強めること。
などであり、全国手話通訳問題研究会がILOVEパンフ運動で「待ち」になるのではなく「行動」を開始して行かなければならないとまとめられた。
これらにもとずき全国手話通訳問題研究会28支部から各地の取り組みが報告され、全国手話通訳問題研究会の組織をあげた行動が開始された。
と書かれています。
その中で、ILOVEパンフ運動で明らかになったろうあ者問題やろうあ者の家族問題、ろう教育の問題はその解決をめざし、取り組みと働きかけを強める、ということについて改めて注視してみました。