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手話と手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

なぜ私たちは子供を産んではいけないの 国会史上初めて 手話 による質問

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  (国会議事録 資料と解説) 第084回国会 予算委員会第四分科会 第3号1978(昭和53)年3月31日(金曜日) 議事録より引用&解説  佐瀬駿介

 

 ろうあ者福祉、手話、手話通訳などなどのことが日本の地方議会で初めて取り上げられたのが福島であること。

 

 福島のろうあ協会や手話通訳者が国会議員と話し合い、いろいろなところに案内して国の福祉の改善に迫ったことはあまり知られていない。

 

 この取り組みがなければ国の政策は無策なままで終わっていたかも知れない。1978年予算委委員会の議事録を入手するのに苦労をしたが、今は容易に入手できる。

 この議事録の内容を解説と共にみなさんと共に考えて行きたい。

 

    身体障害者福祉法

施行されまして来年はちょうど三十年目

 

○下田京子君 大臣にお尋ねいたしますが、御存じのように、身体障害者福祉法が施行されまして来年はちょうど三十年目に当たります。

 

 こういう中で、いままで営々といろいろな角度から福祉行政というものが論じられ、そしてまたそれなりの見直しもされてきている、こう思います。

 

 しかし、一方ではまだ依然として問題がたくさん残っております。

 

 特に難病患者等につきましては、筋ジス患者に見られますように、原因もはっきりしていない。ということになれば、その治療法も確かなものができない。こういう状況の中で、政府としてもこの辺で抜本的な福祉の見直しということが必要なときになっているんじゃないかというふうに思います。

 

 その見直しが特に必要だといいますのは、障害をお持ちの皆さんも、国や地方自治体の援助、そしてまた本人の努力があれば、非常にすばらしい、一般お方と変わらないようなそういう生活ができるようになってきていると思うわけです。
 
 もう大臣も御存じかと思うんですけれども、三月十八日の新聞報道にとってもうれしいニュースが出ておりました。

 

 これは東北の仙台なんですけれども、全盲の女子中学生が公立高等学校にみごとに合格した。いま青少年の非行問題だとか学力問題だとか論じられている中で、こうした障害を持つ中学生が公立高校に合格できたということ、とてもうれしいことだと思うんですね。

 

  こういう点から見ても、先ほど申しましたように、いま根本的な見直しということが図られなければならないだろうというふうな、その御認識だけまずお聞かせいただきたいと思います。

 

    聾唖者のこと

  この聴覚障害者の問題について

            特段お尋ねしたい

 

国務大臣小沢辰男君) 私は、おっしゃる方向は全く同感だと思うんです。

 

仙台の例だけじゃなくて、きのう私、車の中で聞きましたら、聾唖者の方で、いろいろ講義を録音テープを持っていって学校で録音しまして、それを帰ってお母さんが全部筆記しまして――目だけは確かなものですから、目で一生懸命に勉強して――あれ、たしか試験に受かってというニュースをきのうラジオでやっておりました。

 

  身体障害者の方々を、ただ特別の施設施設ということだけでなくて、一般的な方々と同じような、何といいますか教育なり生活なりができるような、できるだけ自立、自助の精神というものをわれわれがバックアップしまして進めていくようなことは本当に大事なことだと、かように考えます。

 

○下田京子君 いま大臣のお話にありました、本当に障害を持つ皆さん方が自立して生きていけるような、施設にだけお入りいただければいいというんじゃない、そこがとっても大事かと思うんですね。

 

 そしてまた、いまのお話にありました聾唖者のことなんですけれども、実は私、この聴覚障害者の問題について特段に、きょうは第一番目にお尋ねしたいと思っていたところなんです。

 

     お話しできそのる口にかわるものが必要
  それが十分に保障されてないということで

 

  私のところに、福島県の聾唖者協会の方からこんなお手紙が届いていますので、ちょっと続ませていただきます。

 

  全国の聾唖者の運動として、民法第十一条改正、手話通訳の制度化、道路交通法八十八条改正、聴力言語障害センターの設置、この四つが取り組まれております。

 

 このうち特に厚生省関係として、手話通訳の問題について、全国の聾唖者の現状と基本的な考え方をもとに政府の対策を訴えたいと思います。

 

  こういうふうな中でいろいろ述べられておりますけれども、実は聾唖者というもの、耳が聞こえません。

 

 お話しができません。

 

 となりますと、その耳にかわるもの、そしてお話しできそのる口にかわるものが必要かと思うんです。

 

 ところが、それが十分に保障されてないということでもって、実はどういう結果が起きているかということなんですけれども、続けてまたこう言っております。

 

  聾児が生まれてくるかもしれないから

                    人工流産を追られ


  福島県で聾唖者のお母さんから、次のような訴えが出されております。

 

 この方は聾唖者御夫婦ですけれども、妊娠八カ月の体のとき、双方の親の話し合いで、聾児が生まれてくるかもしれないからということで人工流産を追られました。

 

 同じような話は、こういったお母さん方と会ってみると、ずいぶん多くの例が出されております。

 

 耳の聞こえないお母さんたちが言います。

 

    どうして元気な赤ちゃんを産み
りっぱに育てることを許してもらえないの

 

 なぜ私たちは子供を産んではいけないのか。

 

 どうして元気な赤ちゃんを産み、りっぱに育てることを許してもらえないのか。

 

 なぜ万が一聾児が生まれてはいけないのかと。