手話 と 手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

手話 を読み取る 集団の知恵 第5回全国手話通訳者会議1972年

 

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手話を知らない人も

               手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

はじめてころみ
       手話実技講習

 

※ 他の提案として、 東北福祉大学うあ者問題研究会よ り 「手話通訳訳の諸問題として」レジメのとうり発表があった。

1、手話通訳のの本質にっいて

2、手話通訳技術について

3、手話通訳者の立場について

4、 手話通訳の今後の課題

 

第3部   第2分科会     サークル活動  ( 略 )

第4部   手話実技講習

 

 実技講習は昨年度岡山大会の時に出た参加者の意見に基づき、今年、はじめてころみた方法です。

 

 その一つは、 京都ろうあセンターより借用したビデオレコーダーによって、全日ろう連の理事の方数名にお顧いして、短時間手話で語つてもらい、それを撮映しておいて当日、 参加者みんなで読みとり練習をするというやり方です。

 

「言い違え」
読みとる者にとつては非常に大切に

 

 私共の経験としても、手話の読みとりはなかなか難かしく、その地域や個人接渉がない場合は特に細部の動きを見落して大きな誤読につながってしまう、そんなことがよくあるわけで、今回の実技講習は、あらためて手話の読みとりの重要性を確認する上で大へんよい勉強になったと思います。

 

 また、個人個人によって、例えぱ大きくロ形を動かしながら手話をする人、言語の流れの中で、つい言い違えて手話を流してしまう場合などが出てきたりして、また、その「言い違え」さえ読みとる者にとつては非常に大切にしなけれぱならないという提起があったりして、楽しみながら、よい勉強ができました。

 

こうでもない ああでもないと
   やり合つているうち
一つの視覚的なパターンが出来てくる

 

 もう一つの方法は、テープレコーダーに2、3の文を吹きこんでおいて(今回の場合ろうあ大会での小平会長の歓迎のことば、その他 )それを皆で聞きながら手話表現にかえていく練習です。

 

 音声語では聞さ馴れてている言葉、

 

 例えぱ
「牛に引かれて善光寺詣り」

 

といった諺や慣用的なことばでも、 これを手話で表現するとなるとなかなか厄介です。
 が、皆で、こうでもない、ああでもないとやり合つているうちに、何とか一つの視覚的なパターンが出来てくるから不思議です。

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  集団の知恵といいましようか、私たちはまた、このことからも多くのものを学びとることができました。

 

 なお、実技指導者は、福島、貞広、伊東、向野の運営委員と山田真爽子氏がこれに当りました。

 

※ 手話・長野と手話・長野県とは、別な表現がされていました。長野県には、松本と長野にろう学校があったからでしょう。歴史的意味合いがあります。

忘れ去られた手話通訳者の悲劇 第5回全国手話通訳者会議1972年

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手話を知らない人も

                手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

  1950年代、1960年代は、手話通訳さえ認められないことがほとんどであった。

 そのため手話通訳をしても交通費はもちろん諸費用などは一切支給されなかった。

 

精神的にも肉体的にも疲労困憊
  倒れる手話通訳者は年々増加の一途

 

 これを「奉仕」として考えも処理しようとする国や行政の考え方に対して、手話通訳者の生活を国や行政が率先して「職業」として認めて手話通訳保障をすべき、とする考えは年々高まっていた。

 

 特に手話を学ぶ人々の増加に伴い社会的に手話通訳の必要性と理解が広がるなかで、手話通訳者自身が手話通訳出来るようにするための身分保障は、極めて大切な問題として浮上していた。

 

 だが、現実は手話通訳者の多くは手話通訳だけで生活が出来なかった。

 

 24時間手話通訳する現実のなかで精神的にも肉体的にも疲労困憊の状況に追い込まれ倒れる手話通訳者は年々増加の一途をたどった。

 

 それらの人々は、いつしか手話通訳者の中でもその存在すら知らないという悲劇が生じ続けた。

 

保障のない手話通訳者
および嘱託など身分の不充分な手話通訳者

 

7,手話通訳者の身分保障について

 

(1) 正規職員としての手話通訳者の立場をどのように考えるか(ろうあ者の権利を守ることの場合)自治体労働者としての立場、およびろつあ連動のかかわりとの関係。

 

(2)  行政からの保障のない手話通訳者および嘱託など身分の不充分な手話通訳者の保障について、当面、ろうあ協会と違動を強める中で行政に身分保障をせまるべきだ。

 

(3) 全国各地の手話通訳の配置状況と身分保障の程度について検討し合う必要もある。

 

手話通訳実務の専門性

 

(4)  手話通訳実務の専門性

 

・ろうあ者問題のケースワーク

・ろうあ者の生活と権利を守る役割
・ろうあ者の相談役
・ 情報の確保者

 

聴覚障害者問題を考えて行く
  ろうあ者および健聴者を含めた

 

7,討議のまとめ

 

(1)通訳者会議の目的を再確認すること。

 

(2) 通訳者の身分保障をどうすすめるか。

 

(3)ろうあ者および健聴者を含めた聴覚障害者問題を考えて行くこと。

 

(4)通訳者会議の大会決議を実行する。

 

(5)通訳者者連絡会の組織化の確立。

 

(6) 全日ろう連として各地の手話通訳の育成を連動化してもらつこと。

 

(7)手話に対する基本的な考え方を統一する。

 

(8) 手話技術の間題について専門研究部門を強めて行きたい。

 

 

手話通訳で知り得たろうあ者の秘密の保持は 第5回全国手話通訳者会議1972年

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手話を知らない人も

                手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

知り得た個人の秘密は当然守る必要
 手話通訳上の諸問題は集団的に論識する

 

4,手話通訳上、知り得たろうあ者の秘密の保持について

 

・原則としては、 通訳上知り得た個人の秘密は当然守る必要がある。

 

・一人で解決できないケースの場合は、通訳上の諸問題として、集団的に論識することが大切であり、 この場合の秘密については集団的に守つてゆかねぱならない。

 

手話通訳者の身分保障
および資格など制度化に向けて

 

5,全国手話通訳者連絡会のあり方について

 

・今後の方向づけとして、身分保障および資格など制度化に向けての運動や話し合いの場にするべきだ。

 

・全日ろう連としても、手話通訳者の専門職化に積極的に運動してほしい。

 

・通訳者会議の参加資格が全日ろう連加盟のろう協推薦グルーブとなっているが、個人的な参加や全日ろう連に加盟していないろう協の場合の間題を考えてほしい。

 

全日ろう連
   手話通訳問題について充分研究

 

 全日ろう連‥‥‥ろうあ者の権利を守ることは、 国民の権利を守ることであり、通訳者の権利が守られないならは通訳要求は実現しない。

 

 全日ろう連としても今後、手話通訳問題について充分研究し、各地区プロツクの通動を強めて行きたい。

 

手話サークル全国連絡会参加は
ろうあ協会の推薦から個人の参加に

 

事務局‥‥‥

 

① 3年前の熊本大会で連絡会が成立、しかし事務局体制の不充分な中で事業が困難であった。

 

②サークルも全国的に飛躍的に増加加したので、全国的な規模での速動を盛りあげたい。組織化の間題も充分研究したい。

 

③(注 手話サークル)連絡会議に対する参加のあり方についても原則として、地区のろうあ協会の推薦になっているが、個人の参加などについて今後検討して行きたい。

 

コミュニケーションは対象者によって適切な方法で 第5回全国手話通訳者会議1972年

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手話を知らない人も

                手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

第2部  第1 分科会  手話通訳間題について 討議

 

手話をろう学校で認めていくべき
  ろう学校生徒の職業選択自由を

 

その他の意見

 

1,ろう教育に望むこと

 

・ ろうあ者のコミュニケーション手段として手話をよりろう学校で認めていくべきである。

 

・ また、教師自身もっと手話に対する正しい認識と実践をすべきである。

 

・ 職業教育についても現在の決められた職業コースに生徒を適合させるのでなく、職業領域の選択が自由にできるような職業教育をすべきである。

 

 現況では生徒の要求を無視して就職させている。

 

手話さえも知らない
     ろうあ者について
                                
2,手話さえも知らない、未就学ろうあ者の実態をどう見るか

 

・ろうあ者集団とのかかわりを大切にする。

 

・本人の要求に応じた情報の提供と生活保障。

 

・手活の上で手話通訳者が最大限、生活に必要な情報の提供に配慮する。

 

コミュニケーションの具体的方法は
       対象者によって適切な方法で

 

3,手話通訳の実際にあたって

 

・コミュニケーションの具体的方法、手話のみ、筆談と手話、および指文字、口話のみ、または手話との併用など、具体的な対象者によって適切な方法で行なう。

 

・ろうあ者の手話を読みとる場合、通訳が徹底しない時(ろうあ者の発言がまちがってとらえられた時)などは、その場その場でろうあ者に確認させる方が良いと思う。

 

人々と融合し合ってこそ ろうあ者 の生活や 手話通訳 も生き続ける 第5回全国手話通訳者会議1972年

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手話を知らない人も

                  手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

  「手話通訳の行政保障について 」提案した京都からの報告は、当時、京都市専任手話通訳だった谷勇男氏及び京都府民生労働部の河野嘉一氏を中心に手話通訳者が検討を重ねたうえでの報告であった。

 

 そのため広域行政・市町村及び民間の施設の役割なども含めてろうあ者福祉の総合的な対策のなかで手話通訳はその役割が発揮出来ること。

 

 地域住民と断絶するのではなく融合し合ってこそろうあ者の生活や手話通訳も生き続けることを明らかにしている。

 

 例えば、ろうあ者のコミュニケーション保障を基礎とした文化的生活領域の整備などは、ろうあ者のみの文化を強調する今日の1部の意見と大きくかけ離れたものとなっている。

 熟考されるべきものだろう。


第2部  第1 分科会  手話通訳間題について 討議

 

栃木では同時法をテーマ
  全日ろう連の本部の考え方は

 

栃木

 

 手話法の技術的改善について、栃木では同時法をテーマとしてすすめているが、この問題について、京都や全日ろう連の本部の考え方はどうか。

 

京都

 

 手話の改善や統一については、手話の主体者(担い手)は誰なのか。

 

 また、その歴史や成成り立ちを充分尊重重して、ろうあ者と共に共同作業ですすめねはならない。

 

全日ろう連

 

 手話通訳に関する連盟の方針で明確なように同時法は教育の実践的方法としては評価するが、ろうあ者におしつけられることには明らかに反対する。

 

 連盟としてもろうあ者が長い生活の中でつくりあげ育ててきた手話について今後、技術的研究をすすめて行く.。

 

愛知

 

 ろうあ運動とのかかわりにっいて、京都における先進的なろうあ者施策と他府県のそれとは大きな違いがある。

 

 やはり、ろうあ者自身の「生活と権利」を守ることに関する基本的な考え方を明確にし、 ろうあ者の方でも健聴者と共に運動するかまえが大切だ!!

 

手話通訳者 ろうあ者の実態を福祉施策に反映させる重要な任務第5回全国手話通訳者会議1972年

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                   手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

第2部     第1 分科会    手話通訳間題について

 

「手話通訳の行政保障について 」  提案一京都一   (4)

 

手話通訳者は
  ろうあ者の実態を福祉施策に

              反映させる重要な任務

 

5、ろうあ者福祉全体を高めるために

 

(1)  手話通訳の果たす役割

 手話通訳者はろうあ者福祉の最も中枢的役割を果たすものとして、ろうあ者の実態を福祉施策に反映させる重要な任務を負つている

 

聴覚障害者に対する正しい認識

 

② ろうあ者の生活領域についての専門的把握

 

③  ろうあ運動と共に連携できること

 

④  一般健聴者にろうあ者問題を広めること

 

⑤  ろうあ者の実態や運動から学ぶこと

 

⑥ 手話技術の学習(ろうあ者と共に)

 

現行の法体系(身障者福祉法)全体と
  ろうあ者問題の専門的把握

 

(2) ろうあ者施策のあり方について

 ろうあ者福祉が高まるためには、現行の法体系(身障者福祉法)全体が高まる必要があるが、やはりろうあ者福祉はろうあ者問題の専門的把握が重要である。

 

 このためには、

 

① コミュニケーション保障およびろうあ者問題をケスワークできる専門職員の配置

 

②  ろうあ者の職業領域についての再検討(ろうあ者の真の能力開発、就労の条件づくり)

 

③  ろうあ者のコミュニケーション保障を基礎とした文化的生活領域の整備(ろうあ者のセンターづくり)

 

ろうあ者 も  住民ととも  にあることが保障されなければ 第5回全国手話通訳者会議1972年

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手話を知らない人も

     手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

第2部     第1 分科会    手話通訳間題について

「手話通訳の行政保障について 」  提案一京都一   (3)

 

  行政事業の中に
ろうあ者の要求を最大限に

 

③ 府市の行政事業の中にろうあ者の要求を最大限にもり込んで行く。

・ろうあ者の社会教育の場の保障

・公営選挙の手話通訳保障

・ろうあ者のための行政懇談会の実施

・手話学習会の活動助成

・手話奉仕員事業の効果的運用

 

府→ろうあ者協力員制度

市→ろうあ者問題市民講座およぴ手話通訳者市長認定割度
(以下資料参照》

 

手話通訳制度化
  するための法的根拠

 

4.手話通訳保障の展望

 

(1)手話通設者の確立を具体化するために、ろうあ運動の全国的なひろまりの効果、不充分ながら通訳者の配置が実現して酋ている。

 

 今後のとりくみの問題点として、

 

①制度化するための法的根拠をどこにすえるか。

 

②ろうあ者の手話通訳要求の適確な把握。

 

③相談領域の問題と伝達保障の領域を独立させる。

  →通訳の尋門性(相談員でない)

 

ろうあ者も国民の

ひとりとしての生活領域が保障されねば

 

(2)より広汎な市民的課題としての手酷通訳活動の発展を

 

 手話通訳要求を基本にした、ろうあ者の施策が導門的に追求されると阿時に、ろうあ者も国民のひとり、市民のひとりとしての生活領域が保障されねぱならない。

 

 住民運動が公書や交通、住宅など著しい活動が展開されている時にあたり、ろうあ者もそれらの運動に参加する

 →(住民に共にある)ことが保障されなければならない。

 

 それは、単に通訳の専門性のみでなく、地域もろうあ者の身近な市民が、通訳活動の実践に一定の役割を果せることが大切である。

 

 この意味から手話学習サークルが、地域や職場と結びついて他の住民運動と共に広まることが必要である。