手話 と 手話通訳

京都の手話通訳者の取り組みと研究の中からの伝承と教訓をみなさまに提起します。戦前戦後の苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを決して忘れることはなく。

幼児・学童期 に 指文字 を教える弊害と田上氏の改革 第4回全国手話通訳者会議1971年

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手話を知らない人も

                   手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

  栃木ろう学校の田上先生の指文字改善は、アメリカのアルファベットを導入した大曽根式の指文字に対する改善についての提起であった。

 

子どもたちの身体や神経に

         対する悪影響がある指文字

 

 現在も大曽根式の指文字は、何の問題も考えないのか児童期の子どもに教えられている。

 

 子どもたちの身体形成期や言語獲得期のことは何ら考えられていないため子どもたちの身体や神経に対する悪影響がある事は医学的調査で明らかにされている。

 

 だがしかし、それらをまったく考慮しないで子どもたちが指文字を覚える事を是として評価し続ける傾向には大きな危惧感を抱く。

 

 成長期の子どもたち。

手指はもちろん腕肩などを含む全身の身体が充分形成されていない。

それと関わって神経や思考回路等は未成熟であり、形成期の最中にある。

 

 例えば人間の手指は、掴むなど内側に動かす事は出来ても、反らす、手指や手首を立て続けるなどの運動機能はなく、それを繰り返したり、一定時間手首を立て続けるなどのことを身体の状況を無視して強要すれば、手指はもちろん腕から肩全身、そして神経系を痛める。

 

 

 そのことを充分考慮しないで子どもたちに負荷と「傷」を負わすことが大問題なのである。

 

乳幼児期から成人期を見通した
指文字・手話などの
コミュニケーションの方向を打ち出した

 

  ここでは十分説明しないが、指文字を使用しないでいたろうあ者の多くは、指文字事態が手指の負担を増幅させるので拒否していたことを忘れてはならない。

 

 それを音声言語の獲得がないからと単純に決めつけてはならないだろう。

 

 1971年に栃木ろう学校の田上先生の指文字等の改善案は、乳幼児期から成人期を見通した指文字・手話などのコミュニケーションの方向を打ち出した点では画期提案であったと言える。

 

 高く評価される
 ろう学校教育を改革する意欲的姿勢

 

 だが、この画期的提案も理屈先行型で第4回全国手話通訳者会議で試みにある聞こえる人が長い話をして、当時の手話通訳者と田上先生とで同時に通訳をしたところ田上先生がそれについて行けない事があった。

 

 その後、田上先生は、栃木ろう学校の独特な「同時法」を打ち出すが、この「同時」が同時にはなりえなかった。

 

 しかし、現状に満足する事なくろう学校教育を改革する意欲的姿勢は現在だからこそ一層高く評価されるべきだろう。