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{特別投稿}ろう教育の常識と前提 故藤井進先生からの伝承
先生が畑でネギを盗みすき焼き
藤井進先生は、新採でろう学校教諭になった頃を振り返り、貴重な事実を語ってくれている。
この事実は、ろう学校の教育やその後京都ろう学校で起きた生徒の「授業拒否事件」を知る上で重要な意味を持っている。
学校教育の場で、教師はさまざまにつぶやき不満を述べたり、他を批判して自己を浮きだたせようとする動きのなかで、淡々と事実を述べている。
‥‥‥ 1952(昭和27年)新採で行った頃のろう学校は、府庁前から御室の仁和寺に移転したばかりの学校でしたが、と思うほど「荒れはてていた。」
職員室の机の下に一升瓶を置いたり、ウイスキーの瓶が転がってたり、宿直で麻雀している先生などたくさんいた。
学校の周りの畑に先生が、ネギとりにいって、すき焼きする。
校長が
「ネギ取りに行くな」
というそんな時代。
ろう学校の生徒は
何言ってもわからへん
子どもの言っていることがわからへん
無政府状態の学校。
背景にあったのは、障害者差別でしょうね。
子どもに 何 言ってもわからへん。
子どもの言っていることがわからへん。
ろう学校から出してくれ
ろう学校の教師をしているなら離婚
ろう学校の先生の中でも私が分会長してた頃に
「ろう学校から出してくれ。出るようにしてくれ。」
と先生が言ってきた。
「なんでや」
って聞いたら、
「うちの嫁はんが責め立てる。私は高校の教師と結婚したんで、ろう学校の教師と結婚したんではない。」
「ろう学校の教師をしているんやったら、私は離婚します。」
と言われる。
責められる。
普通の高校に出すようにしてくれ。
「なんでそんなこと言うんや」
と言い、
「それはろう学校の生徒に対して差別していることになる。」
と大げんかになった。
子どもの前で、つんぼが…つんぼが……府教委もそのようなことも言っていたし、そのような考えでした。
府教委と交渉があったとき、
「役にたたん教師が居るから異動させる。」
という府教委に
「不当転勤や」
と言うと、
「そんな教師は、めくらか、つんぼの学校でいいいんや」
と人事担当が言う。
それで、怒って「差別発言や」「撤回せ-」言って。‥‥‥