手話を知らない人も
手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介
私たちが、手話通訳する場合には必ず、
誰が、
誰に、
何を言っているのか、
ということは必ずもとめられる。
その場合、誰、何、ということを的確に把握しないと、手話はしたかもしれないが、
通訳(ことばを訳して相手方に伝えるなどの意味を含む。)をしたということにはならない。
この基本的事項が、第6回全国手話通訳者会議基調報告では踏まえられていないため解釈によってさまざまな捉え方が生じる。
そればかりか、前回の会議参加者250名、参加サークルが80以上という数字をあげてあたかも全国で事態が進んできているように述べるのは、極端であるとも言える。
断定出来きれないものを断定する。
矛盾を無視して肯定的に持論を展開するような傾向は戒めるべきであった。だが、そうではなく事態は展開させられていく。
このことに反発する手話通訳者は去り、同調する人や理解が充分出来ていない人々で
手話通訳という問題がすすめられて行った。
この時期を再検討、再構築すれば現代の手話や手話通訳をめぐる諸問題の基礎的事項が明らかになる。
流れるままに手話通訳の諸問題が今日まできたのではなく、流す人や人々が居て今日があることを考えてみれば、虚像と実像はさらに明らかになる。
第6回全国手話通訳者会議基調報告 聴覚障書者をめぐる情勢の特徴!!(その7)
手話奉仕員養成事業の実施方法や内容について、ろうあ者と手話学習・通訳活動に結集する健聴者が共通のねがいや要求を提起し、実施の方法についても様々な試みがなされました。
一定の前進とともに新たな課題や矛盾も表面化しました。それは、
(1) 手話の自主的サークルと 「手話奉仕員養成事業」 による講習会との関連と運営のあり方。
(2) ろうあ者の生活と権利を守ることの実践一ろうあ者集団と手話通訳活動集団との対等平等の立場を連動のなかでいかに確立するか?
(3) 手話学習・手話通訳に対する正しいとりくみ、活動をすすめるための集団づくりの 問題点。
(4) 手話通訳者の専任化を行政に保障させるとりくみ。
(5) 手話の技術的な側面の研究、開発(ろうあ者との共同作業による。)
こうした課題はそのまま第6回長野会議に持ち込まれた訳です。
参加者250名 参加サークルが
80以上という画期的なもの
長野会議は私たち、5年間の連動を一つの 「ふし」 にするにふさわしい大会でした。
会議参加者250名、 参加サークルが80以上という画期的なものでした。
内容としても、
(1) 全日本ろうあ連盟から手話通訳についての基本方針が発表され、
(2) 通訳活動及び手話サークルの全国組織づくりの方向が確立。
という大きな前進をみました。
参加者250名 参加サークルが80以上
で6項目の決議を採択
討議の内容においても全国的な手話通訳制度化のもりあがりとその矛盾や問題点をどう克服し、高めるかということを原点にすえ、
◎ 手話サークル・手話通訳者の組織づくり。
◎ 住民運動としてどう発展させるか?
など5年目の「ふしづくり」にさわしい会議でした。
また、まとめとして今後の連動の方向を①手話通訳の基本的なあり方、②ろうあ連動との連帯、③手話通訳者の身分保障、④全国組織の結成、⑤一般住民答発、⑥手話通訳問題や手話技術の研修など6項目の決議を採択しました。