手話 と 手話通訳

手話通訳の取り組みと研究からの伝承と教訓を提起。苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを忘れることなく。みなさんの投稿をぜひお寄せください。みなさんのご意見と投稿で『手話と手話通訳』がつくられてきています。過去と現在を考え、未来をともに語り合いましょう。 Let's talk together.

手話 の特性を生かした 速効力 のある コミュニケーション

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                                   ある聴覚障害者との書簡  1993年 寄稿

 

  手紙ありがとう。住民説明会の手話通訳と役所の行動について、どんどんと多くの人が賛同して輪が広まっている報告。ありがとう。

 

 ろうあ協会の人たちも今までにない多くの人と知り合いになり、あちらこちらに出かけたり、呼ばれたりしていることとてもうれしく思いました。

 

   手話の表現も歴史的経緯がある

 

さて、手話と地名の問題についてですが。

 

 これは、簡単なようで難しいのです。歴史的な中で形成されてきた地名。手話の表現も歴史的経緯があり、どれが正しいとか、間違いとか言えないことが多いからです。

 

 手話

  それぞれの時代のろうあ者の生活の直結する

 

 地名の手話を学ぶことは、それぞれの時代のろうあ者の生活の直結するのではないかと思っています。

 いままで、さまざまな地域でその地域名の手話を記録してきました。

 

 非常によく似ていろ手話なのに、少し違うことを採り入れて、自分たちの地域を表現する素晴らしさを知って手話の微妙な表現と多様性に感動しています。

 でも、なかなか、うまく説明出来ません。

 

   ろうあ者の人びとの仕事と手話

 

 あなたが今すんでいるところは、手話の「帯」で表現しますね。

 

 ところが、この帯で地名を表現するところは、各地域にあります。

 

 「オ・ビ」という音声で表現する場合もありますが、地域産業として帯を織っていた、ろうあ者の人びともその仕事に就いていた歴史から「オ・ビ」の呼び名でないのに「帯」の手話で地名を現す処もあります。

 

 帯を織る、機織り、などの仕事はどんどんとなくなっていっていますが。

 もう少しすれば、ほとんど無くなるのではないかと嘆いています。

 

 着物の帯となとと幅が広いので 帯は帯でも

 

 帯は、お腹回りにくるりと巻いて手話「帯」とする場合がありますが、着物の帯となとと幅が広いので指文字の「レ」を内むけにして胸の下あたりから回すこともあります。

 

 今はほとんど表現されませんが、高級帯の西陣から「西陣」という地名を少しお腹から離して方向の西、「帯(状)に西」とする人もいました。

 

 地名と手話については、大切にして行きたいと思います。

 

 速効に分かる手話

 

 さて、手話の特徴で長い地名も一度動作ですむのです。

 

帯の動作と音声の速さをしてみて下さい。どちらが速いですか?

 

どちらも速くも出来るし遅くも出来ますね。

 

でも、帯は一目瞭然なので聴覚障害を持つ人には速効に分かるのです。

 

  手話は会話のひとつひとつの連鎖で理解

 

 同じ手話だったら「間違う」とよく言う人がいます。

 

 でも、手話は会話のひとつひとつで理解されるのではなく、その前後の連鎖で理解されます。

 

 だから手話を見て理解すれば、帯か、地名か、区別出来るのです。

 

 そうでなかった場合は、問い直した問い直したらいいのです。

 

 あなたの得意な、

「ちょっと待って」

で、相手に説明をもとめて地名か、帯か、を聞けばいいのです。

 

 話がどんどん進めば、「ちょっと待って」と言わなくても自然と解ってくるものです。

 

 手話の特性を生かせば
   伝達する速効力のあるコミュニケーション手段

 

 一例ですが、手話表現は視覚的理解をすすめるものであって、音声言語のように音理解をすすめるだけのものではないのです。
 

 むしろ、漢字を見て意味理解をする事、表意を把握することにに近いように思われます。

 

 指文字と比べて、手話は手話の特性を生かせば相手に伝えたいことを伝達する速効力のあるコミュニケーション手段となるのです。