「全国手話通訳問題研究会会報」創刊号からの会報・考察寄稿③
はたして手話通訳制度実現するのだろうか?
とする危惧への参考資料
全国手話通訳問題研究会会報7では述べられている。
政府が国会で手話通訳制度の検討をするとして、手話通訳制度の検討を開始したとされていたが、全国手話通訳問題研究会では、政府が国会で手話通訳制度の検討をするとして、手話通訳制度の検討を開始・報告を政府が「福祉予算がどしどし、けずられるなかで、はたして報告に書かれていることが実現するのだろうか?」とする危惧が多く出された。
と述べた。
その危惧の原因は、以下の引用を読んでいただき
みなさんのご意見をいただきたい。
1981(昭和56)2月13日
「完全参加と平等」という国際障害者年に当たって 今後10年間の計画をしっかりつくって
下田京子君
総理、 ちょっとごらんください。 (手話)
次に、 障害者対策についてお尋ねいたします。
きよう、全国から耳の不自由なろう啞者の皆さんが国会傍聴に来ております。
総理、 ろう者の皆さんは、手話がなければ私の質問も総理の答弁もわかりません。 手話があればこそ国会傍聴もできるんです。
私は、 いま手話でお話ししましたが、きようお見えになっている、いま傍聴されている聾唖者の皆さんも含めまして、全国各地でたくさんの障害者と懇談をしてまいりました。
特に、秋田、宮城、福島等では多くの団体からたくさんの要望を出されたんですけれども、その中で一番大きかったことは、
「完全参加と平等」という国際障害者年に当たってのことし、 重大な重点施策の一つとしては、 今後10年間の計画をしっかりつくってほしいと、 こういうお声でした。
このお声に対して、 総理並びに厚生大臣の決意を聞きたいと思います。
社会への完全参加、平等、
世界的な規模で今後10年間に
実現をし達成しようと共通の理念に立ち
国務大臣 (鈴木善幸君)
今年は、身障者の記念すべき国際年でございます。
身障者の方々の社会への完全参加、平等、これを世界的な規模で今後10年間に実現をし達成しようと、こういう共通の理念に立ちまして努力をしていくわけでございますが、わが国におきましても対策本部を設け、この記念すべき年の諸般の行事 またこれを契機として身障者対策等を強力に推進をするというために協議をし、また方策を総合的に確立を図っておるところでございます。
今後おきましても、 中央身障者対策協議会、これを中心といたしまして各般の施策を総合的にここで検討し、その成果をおさめるように最善を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
手話通訳の養成その他を制度化
制度化の方に持っていきたい
国務大臣 (園田直君)
御発言のとおり、 手話通訳というものは、日々これが聞こえない方の社会に大事になってきておりまするし、テレビやあるいは劇等でもすでにこれを採用して、 全国の方々に便宜を図っているわけでありますけれども、問題はその手話通訳の養成とか人員の確保とか、 こういうところに問題があるわけでありまして、 厚生省としては障害者社会参加促進事業の中で手話奉仕員の養成及び派遣事業、 手話通訳設置事業の3つの事業を施しておりますが、関係団体へ委託事業として手話通訳指導者養成、研修事業及
び標準手話研究事業を実施をしております。
なお、この手話通訳の養成その他を制度化しようという御意見も各方面から強く出ているところでありまして、障害者年の中に長期計画の委員会があって、これで検討してもらっておりまするが、こういう御意見も承って、 これを制度化の方に持っていきたい、こう考えているところでございます。
手話の問題を制度化する
下田京子君
私のお伺いしたことで特に聞きたかったところは、 10カ年計画という形で長期的な計画をきちんとおとりいただけるかどうか、この点で明快な答弁がありませんでしたので、よろしくどうぞ。総理並びに厚生大臣。
国務大臣 (園田直君)
いま私は言ったつもりでございましたが、言葉が足りませんでしたが、いま総理府に設置された障害者年の促進の会合、その中の特別委員会で長期計画をつくっております。 その長期計画の中でこの手話の問題を制度化しようと、こういうことを検討してもらっておりまするので、関係方面の審議会の意見を聞いてこれを制度化するという方に持っていきたいと努力をしておるところでございます。
総合的に整合性を持って実効の上がるように
国務大臣 (鈴木善幸君)
先ほど申し上げましたように、政府としましては、中央身障者対策協議会、これが中心になりまして、今後長期計画、これを総合的に、整合性を持って実効の上がるように対策を講じてまいります。
下田京子君
10ヵ年計画ということで、長期計画、同じだと思うんですけれども、その基本的な方向づけとして、厚生大臣は聾唖者の手話通訳制度化の方向を検討していると、もう明確にお答えいただいたわけなんですけれども、(以下略)