手話 と 手話通訳

手話通訳の取り組みと研究からの伝承と教訓を提起。苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを忘れることなく。みなさんの投稿をぜひお寄せください。みなさんのご意見と投稿で『手話と手話通訳』がつくられてきています。過去と現在を考え、未来をともに語り合いましょう。 Let's talk together.

手話通訳者 は 中立 の意味がはっきりわからない 第7回全国手話通訳者会議1974年

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手話を知らない人も

                   手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

  判断するのはろうあ者

 

  会社の言う通り通訳した方が良い。

 

 ☆ きびしい状態におかれていることをわからせる必要がある。

 

  判断するのはろうあ者であって通訳者ではない。

 

その後の事はケースワーカーの仕事である。

 通訳者なのか, 手話のできる相談者なのか, 通訳者自身はつきり理解している必要があると思う。

 

  通訳者はあくまでも中立であるべきか

 

☆手話通訳の専門領域の確立をするぺきである。

  通訳者はあくまでも中立であるべき。

 

☆  会社や組合にろうあ者の要求を通訳した場合, 会社側からそういう通訳では困ると言われる。

 

☆  ろうあ者の考えをそのまま通訳した場合ろうあ者にとってマイナスになる。
 会社側はろうあ者だからといって遅刻が多くても仕事の途中でいなくなっても甘くみている事もある。

 

   言いたくても言えなくて

 

  相談業務か通訳業務か。

 

☆  中立の意味はっきりわからない。

 何の為に通訳者が必要なのか, ろうあ者がいなければ通訳者は必要ないと思う。

 

 ろうあ者は自分勝手と言うが例えばどうして遅刻するのか聞くと、給料, 人間関係いろいろな不満を持つている。

 

 言いたくても言えなくて休んだりする時もある。

 

  今の状況で中立という事はどちらに立つのか間題である。

 

  手話通訳者として相談業務も兼ねる場合
  信用のあるろうあ者と一緒に

 

 ろうあ者は情報が入らないので苦しい立場にある。

 

 給料面にしても説明なしではわからない。

 

 通訳者はろうあ者の立場に立ち, ろうあ者の生活を把握する事が大切。

 

☆  通訳者として相談業務も兼ねる場合には,信用のあるろうあ者に一結に行つてもらって相談してもらう。あくまでも通訳者は通訳としてやっている。

 

 

手話通訳者がろうあ者を解雇する説得を とせまる会社 第7回全国手話通訳者会議1974年

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手話を知らない人も

              手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

  45年前の第7回全国手話通訳者会議では、現在の手話や手話通訳をめぐる様々な問題とその解決や考えが話し合われている。

 この話し合いは大変重要である。いろいろな状況の違いを踏まえながらもどうすればいいのか、どう考えればいいのか、ということの中にヒントを見つけ自分たちやみんなと協力し合って手話通訳の方向を確かめている。

 

 ろうあ者の政治への参加は文字通り主権者と成り行く姿であったが、そこには今日では信じられないような批判が浴びせられた、批判というより非難と言ったほうが正確かもしれない。

 しかし、その非難は、ろうあ者が主権者としての諸権利を認めない点でろうあ者と人々との平等を否定していたとも言える。

 

 以下論議されるろうあ者の自動車免許取得問題も今日では当然のこととなっていて問題にもされないが、決してそうではなかった。
 それをどのようにクリアしてきたのかをすることによって、今なお残る不平等を解決する方向が見えてくる。

 

  会社側が違まわしに解雇したいと
      通訳者から言つて欲しいと

 

  第7回全国手話通訳者会議 

  第1分科会  手話通訳の実践について

 

(3) ろうあ者の職業問題についての通訳

 

 運免をもっているろうあ者が大きな会社にアルパイトとして入つている。

 正規職員になる前に, 新間がろうあ者の職業問題について大きく載せたので会社側が逆に不安に思い違まわしに解雇したい旨を通訳者から言つて欲しいと言われた。

 

  内容はその会社のシステムでは30才になると皆セールスになるがろうあ者にはできない。

 

一生運転だけで満足できるかどうか?
  満足したとしても将来人間関係で気まずくなるのではないか。
 それなら今やめた方が本人の為ではないかという事です。

 

  手話通訳者が
ろうあ者を説得するのではない
   と言ったが理解しない会社

 

 通訳はあくまでもコミュニケーション保障の間題だから話し合いの通訳はするがろうあ者に対する説得はできないと答えたが, 通訳の問題を判つてもらえない。

 

  会社側からの手話通訳要求は
    一方的な説得の話になりがち

 

☆  通訳要求というのは基本的にはろうあ者からの要求である訳だが, 今は会社側, 家族からの要求が多い。

 

 会社側からの要求がある場合は会社の一方的な説得の話になりろうあ者にとつてはきびしい説教になり、通訳者としても苦しい立場になる。

 

 どうしたら良いか。

 

 

個人演説会 政党の演説会の手話通訳は 第7回全国手話通訳者会議1974年

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手話を知らない人も

            手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

  第7回全国手話通訳者会議 第1分科会

     手話通訳の実践について

 

4.  通訳者のあり方について

 

(1)
 個人演説会の通訳の依頼があったが断つた。

  個人としては通訳したいが, 公務員の立場からと, 他のろうあ者からの誤解等を考えて断つた訳だが, やるべきかどうか。

 

☆  ろうあ者から通訳要求があった場合はいくしかない。

 

☆  通訳者が個人的な判断をするのではなく通訳者全部が話し合う必要がある。

 

(2)
 ある特定の政党を支持する通訳者が時局講演会の通訳の時, 他の通訳者がいるのに特定のろうあ者をつれ出して自分で通訳する。

 

  このような場合どうすべきか。

 

☆  ろうあ者と通訳者と話し合つて集団的なとりくみをして欲しい。

 

 

一時ストップ =一時間ストップ 文の意味がわからないろうあ者に 第7回全国手話通訳者会議1974年

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手話を知らない人も

     手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

  第7回全国手話通訳者会議 第1分科会

      手話通訳の実践について

 

    まとめ

 

   ~してはならない  ~しなくてはならない
      意味が理解出来ないが

 

 ろうあ者自身の問題, 文の意味の解釈がむずかしい。

 

例 ~してはならない        l          
   ~しなくてはならない

 

 一時ストップ  →  一時間ストップしているのか

 

の違い,対策として作文教室などを行つている県があった。

 

☆  通訳の絶対数不足と身分保障問題

 

 

 

ろうあ者の自動車免許の獲得の広がりと課題 第7回全国手話通訳者会議1974年

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手話を知らない人も

                 手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

  第7回全国手話通訳者会議 第1分科会 

     手話通訳の実践について

   

       歌を手話にかえて

 

   歌

青  森
 市民集会で歌を手話にかえてやった。その他各地で実施している日曜教室の実態が出された。

 

  ろうあ者の運免獲得と通訳活動について

 

広島
 適性検査に合格した人はろう学校でまとめて自動車学校へ申し込む。
 初め県の学校へ申し込んで断わられた為, 直接ろうあ者が民間の自動車学校へ交渉して認められた。

 

   ろうあ者が免許をとってからの技術指導
  事故をおこした時の補償の問題等を考え

 

 今年の4月から始めて5人免許をとった。
 通訳は2名ずっ交替でもみじ会が自主的にやっている。父母の会と県から補助金がもみじ会にでているのでその中から謝礼をだしている。

 

岐阜
 広島と同じ方法でやっている。
 4月で4人とった。 通訳は嘱託の通訳者が出勤しない日だけ通訳している。3日間だけ。 学校側は必ず通訳者を付けて欲しいと言うが応えられない。

 

東京
 通訳は, 手話通訳派遣協会があるので一対一で自由な時間を選んでやっている。

 

福井
 ろうあ者が県へ陳情に行つた、今年の4月で県職員の異動があつた為,話がとぎれてしまった。

 

宮城
 どこで責任もつのかわからない。

 ろうあ協会が先頭に立つて, ろうあ者が免許をとってからの技術指導, 事故をおこした時の補償の問題等を考える会を創設した。

  ろうあ者全員入会するようになっている。現在50人獲得者がいる。
 
栃木
通訳の間題  県に50名登録してあるが実際にすぐ通訳できる訳ではない。

 

映画と字幕と劇の手話通訳 想像を絶する苦労 第7回全国手話通訳者会議1974年

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手話を知らない人も

             手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

第7回全国手話通訳者会議 第1分科会

                       手話通訳の実践について

 

2.   ろうあ者の文化保障について

 

(1)  ろうあ者にも,  もっと広域な範囲の文化を保障するべきである。

  各市の実例

映画(字幕付)

 

東  京
 昭和46年度から東京都映画協会とろう団体と通訳者と相談してやっている。予算の関係でろうあ者の希望どおり作れない。4ケ所巡回して映画会を開いている。今年から文章力を身につけさせる為に国語教室を開いている。

 

京  都
 ろうあセンターの文化的な事業としてろうあ者の要望で映画を通訳付でやった。3人で交替しながらやった。 事前に録音して勉強したり何回も見に行つて勉強した。

  又別に, ジャンポテレビを購入して普通のテレビと通訳を別々にビデオにとり一緒に放映する。

  画面が大きいので通訳が見やすい。

 

大  阪
 字幕付映画を東京からかりてやった。反省会の時,字幕の消えるのが速くて意味がわからないので国語教室を開いている。

 

山  梨
 東京から字幕付映画をかかりてやった。 わらび座公演。

 

栃  木

 事前にわらび座の人と相してて舞台と通訳と同時に見える場所を決めた。

   昔のことばが多いので通訳がむずかしかった。

 

 

 

研究会としての性格を充実させ続けているだろうか 全国手話通訳問題研究会 第7回全国手話通訳者会議1974年

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手話を知らない人も

             手話を学んでいる人もともに
{再編集投稿・1969年頃}京都における手話と手話通訳の遺産と研究・提議 佐瀬駿介

 

  多くの方からご意見をいただいた。その中で少し食い違いがあるので説明しておく。

 

  全日本ろうあ連盟は行動と運動をする団体
   全国手話通訳問題研究会は研究団体

 

 全日本ろうあ連盟は、ろうあ者によって組織された、ろう者の人権を尊重し文化水準の向上を図り、その福祉を増進する、ことを目的としているのでその実現のためにさまざまな行動と運動をする団体である。

 

 全国手話通訳問題研究会は、結成当時とその様態は変わっているがあくまでも研究団体。

 

 全日本ろうあ連盟とは全く異質の団体である。

 

  運動団体のように行動をすると
 研究団体として逸脱することになる

 

 もちろん、研究会としてさまざまな啓蒙活動に取り組むことある。

 

 だが、あくまでも研究を目的とする団体であってその研究を逸脱して運動団体のように行動をする、と研究団体としての性格を逸脱することになる。

 

 研究会としてつくられた以上はそのことを堅持しなければならないし、社会的には研究成果を還元することで社会的に寄与しなければならないのである。

 

 手話通訳者としての諸権利や身分の向上は、後につくられた手話通訳士協会などがなすべき役割であろう。

 

 手話通訳者協会という名称ではなく、全国手話通訳問題研究会という研究会の名称で結成した以上、全国手話通訳問題研究会は研究会としての性格を充実させていくべきであった。

 

 現状はそうなっているか、どうか、という問題として提起している。