② 手話通訳者の給料は、その地域のろうあ者の平均収入を上回ってはならないし、上回ること自体はろうあ者を利用して自分の利益を得るという不当なものであるともされた。
健聴者はいつでも手話通訳以外のどんな仕事でもつける 手話通訳以外の仕事はいくらでもある
③ 手話通訳者の給料は、その地域のろうあ者の平均収入を上回ってはならない事に不満であれば、健聴者はいつでも手話通訳以外のどんな仕事でもつけるから手話通訳者の仕事を辞めればいい。
健聴者なら外にいくらでも仕事がある。
ろうあ者の場合はそんなことではなく、仕事は限られている。
専任手話通訳者になったのなら不満があっても我慢すべきだ。
などのことを基に前述した
「手話通訳者は、ろうあ者の意向を抜きに独自的行動を起こしてはならない」
とするろうあ者の一部(ろうあ協会の役員の一部)からの「根深い思い」があった。
手話通訳者はろうあ者が居ようと
そうでなくてもいつでもどこでも 絶えず手話で話を
だからこそ、手話通訳者の会議には必ずろうあ協会の役員が参加して事の是非の決定権を持っている。
手話通訳者は必ずろうあ者相談員と同行しなければならない。
手話通訳者はろうあ者が居ようとそうでなくても絶えず手話で話をしなければならない。
音声言語だけの話を健聴者同士でするなどのことは許されない。
などの考えが全面的に展開されていったのである。
仕事について数十年
健聴者の高卒初任給以下の給料とあまり違いがない
手話通訳者の設置が要求された時代には、ろうあ者の生活水準を健聴者との生活水準と比較しても全面的にともに「低い」という生活実態があったことは充分理解しなければならないだろう。
ろう学校を卒業して仕事について数十年。
健聴者の高卒初任給以下の給料とあまり違いがないという悲惨な実態は各地で見受けられた。
少なくない各地で一部のろうあ協会の役員は、多くのろうあ者に次のように語っていた。
専任手話通訳者として採用された手話通訳者の給料がいかに高い、と言い続け、それに手話通訳者が苦悩するという事例は多く見られた。
京都でも同様なことがありながらも多くのろうあ者はその事への共鳴はあまりしなかった。
それには、それなりのわけがあった。
ひとつひとつの矛盾を共同して解決し続けた結果でもあるが‥‥‥