手話を知らない人も
手話を学んでいる人もともに
{新投稿}ー京都における手話研究1950年代以前の遺産と研究・提議 佐瀬駿介ー
ポン引き。
ポン引きという言葉さえ使われなくなっているが、「土地不案内の田舎者などを甘言を用いて誘惑し、その所持金を巻きあげる」「私娼窟などで、不案内の者を連れこむ客引き」などとされている。
明石欣造さんは、いい女がいると客の袖を引っ張る「ポン引き」の様子を手話表現している。
ポン引き、に引きずり込まれてお金を巻き上げられたことも多かった時代。またろうあ者がポン引きにさせられた時代。
お金を示して、袖を引く、ポン引きもまた世相を反映している。
乳母。
実母に代わって子に乳をのませたり、実母に代わって子どもを育てる女性のことであるが、乳を絞って母乳を飲ませることと、小指を頬に付けて母親で「乳母」と手話表現する。
が、母親の手話は非常に微妙に手話表現している。
当時、自分の子どもにお乳を飲ませるよりも金持ちに雇われてその子どもにお乳を飲ませる極貧の母親の気持ちが表情で表されている。
百面相、百眼が見事に表現されている。
ルンペン。
浮浪者、乞食のことを意味するが、この場合、指文字の「ル」をまっすぐ伸びた手の甲で動かしている。
手の甲は、地面であり、それを彷徨う姿を示して「乞食」と区別している。
今までも掲載したこういう言葉は禁止用語としてマスコミなどでは使われないが、そういう言葉が使われていたのだから敢えて紹介する。
今なら、路上生活者という言葉が使われたりするが、このルンペンの手話を基礎に手話表現は簡単にできる。