手話 と 手話通訳

手話通訳の取り組みと研究からの伝承と教訓を提起。苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを忘れることなく。みなさんの投稿をぜひお寄せください。みなさんのご意見と投稿で『手話と手話通訳』がつくられてきています。過去と現在を考え、未来をともに語り合いましょう。 Let's talk together.

手話 細やかなこころ模様を表現 制限や限界はなかった自由表現の時代 守る 下手 毎日 方法 まかせる 本 まじめ 待つ  まだ 無理 まとめる 明治

京都の手話 の手引き 1960年代検討されて作成 資料12

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守る とても大切な手話。両手で握り拳をつくり身体に寄せる。大切なものを身につけて守るという表現でもある。人を守る、という手話は、片方の手で男・女・人々などを現し、もう一方の手でそれを囲む動きをする。さまざまなものから「防御」するという手話であろう。だがしかし、この守るの手話は、憲法を守る、などの守るの場合に表現され守る⇔守護などの意味を籠めていたのだろうか、歴史的変遷の中で伝承されてきた手話でもある。

待つ 思い人を待つなどの場合によく使われたが、窓辺で待つなどのように顎をつけて待つ、しぐさから来たとされているが、顔の表情で待つ意味も表現されてきた。手話における表情は、細やかなこころ模様も伝える。

毎日 日が沈んで昇り、また沈んで昇り、即ち一日の繰り返しで⇒毎日を表現する。イラストの場合は、円を描いているが、親指と人差し指を上下に繰り返すことで毎日と簡略化する場合もある。太陽の下で暮らし続けていた手話表現。

下手 手を上から下へと動かし下手と表現。下手は文字通り手の下と現すが、逆に手をうえに動かすと「上手」になる。このような反対語に転化させる手話は多い。

無理 口をこじ開けて‥‥‥という仕種から来たのであろう、ろうあ者の歴史的体験からなのだろうか、口を開かせる⇔こじ開けてでも言わせる、ことへの抵抗の手話でもあった。口話を強要されたなどの場合に、口を開けさせてでも、という手話ではない。

まだ 間だ⇔物と物、事と事の中間を手話で表したものである。したがって、両手にはすき間がつけられる。その距離でもう少しで「到達」するとか「とても到達しない」とかの表現になる。例 勉強はまだまだです。⇒充分な勉強は出来ていない、などなど。

任せる イラストの場合は、委任という手話でもある。自分の責任を「任せる」「託す」と言うことから肩にかかった責任を任せる人のほうに引き渡す手話。イラストの場合は、両手で任せるの手話をしているのでかなり重要な事を任せることになる。片手での手話は、比較的軽い任せ、肩から少し浮かせる場合は、それほど重要でないことを任せる、など自由に変化。

方法 方法⇔手だて からの手話ではなかろうか。手首あたりを軽くたたくことで手話表現される。手首に片方の手で軽くたたくか、強くたたくかで気持ちが表現される。例 そんな方法では、明日になっても出来ない。

明治 これは明治天皇肖像画の髭を表している。戦前のろう学校では、歴代天皇を手話で教えられてた。そのほとんどは、肖像画の一部を取り込んた手話である。髪型や笏(しゃく)であったりした。明治天皇の威厳の象徴とされた髭。他の人物と異なる特徴の一部(口髭でもさまざまあるのでたんに口髭とするのではなく)をみごとにとり入れている。

まとめる ⇔纏める 文字の意味するところを手話で表現して纏める⇔ばらばらだったものを一つの整った状態にする、として両手で、かき集めて、まとめ、あげる。いち動作で意味の本質を見て解るように手話であらわす。これらの手話は数多い。多いが故に応用も利く。まとめきれない場合は、最後の拳を合わせる手前で止めるとか、かき集めるところで止めると、てんでばらばら、となる。

真面目 服のボタンを下から上にきちんと留める、ネクタイを歪みなくしめる、などきちんとした服装など様子をしめることで真面目。逆にきちんとしていない、途中で手話の動きを止めると、不真面目などなどで表現される手話。

 手で左右、本の形体をあらわす手話。開けば本。閉じれば、本を読むのをやめる、読むのをあきらめた、読んだ本から考えるなどなど表現される。開いた本を人差し指と中指を両目にみたてて、うえから下に動かすことで「本を読む」などの表現がされる。

 

 手話は漢字の意味、漢字の形態、漢字の一部を取り込んで表現されることが多いが、そこに一工夫も二工夫も加えられ、無数の手話表現となり、表情など身体の動きが加えられると心情があらわされる。

 

 無限に拡がる手話。それに制限や限界はなかった。