手話 と 手話通訳

手話通訳の取り組みと研究からの伝承と教訓を提起。苦しい時代を生き抜いたろうあ者の人々から学んだことを忘れることなく。みなさんの投稿をぜひお寄せください。みなさんのご意見と投稿で『手話と手話通訳』がつくられてきています。過去と現在を考え、未来をともに語り合いましょう。 Let's talk together.

どんなに貧しくてもしあわせは 今にあると 手話で語り 提供された軍服姿の写真の真相

  communion of mind with mind

 

 手話は、具体的なものやさまざまな出来事の実際にあった客観的な事実に基づいて連関される。と述べたが、具体的なものやさまざまな出来事の実際にあった客観的な事実に基づいて「多くの経験内容が一定の関係に従って結合し、一つの全体を構成する」意味とも理解していいのではないかと思う。

 

 このことは、真の手話研究の極めて大切な事ではないかと思えてならない。

 

 そのために加悦さんが生前、みんなに私たちの生きてきた生活も知らせてほしいと写真を預かり大事に保管していたひとつを紹介させていただく。

 

  写真は、加悦さんの軍服を着た写真である。

 

 加谷さんは、軍人としての誇りを持ち生きたと思う人がいるかも知れない。

 

 だが、決してそうではない。

 

 徴兵検査で加悦さんやろう学校の友人や聞えない人びも、軍人として国のためにいのちを捧げない「非国民」「非人間」としての最大の侮辱を受けた。

 

 その数々の経験が結びあい「軍服」を着て、国のためにいのちを捧げない「非国民」「非人間」としての最大の侮辱を打ち砕いているひとつがこの写真なのである。

 

 加悦さんが、軍服を着ることすら許されなかった暗黒の時代。

 

 加悦さんは、あえて従兄弟の軍服を借りて写真を取り残した。

 それは、軍人になりたかったからでは決してないと言い切り、この写真を提供してくれたのである。

 

 眼の奥に、悲哀と真理を見詰める精神が読みとれてならない。

 

 軍服を着た加谷さんの姿。

 

 人間としての平等性が平和の中でこそ生き続けると逆説して訴えたかったんだと言われた。

 

 どんなに貧しくてもしあわせは、今にあると。