ある聴覚障害者との書簡(1993年) 寄稿
あなたは聴覚障害者であるけれどあなたの様子は聴覚障害者のすべてではないのです。
ある一人=あなた=一人の聴覚障害者でも、聴覚障害者=あなたではないのです。
社会的に聴覚障害者や障害者問題を論じられるとき、以上のことが混乱・混同されたまま話し合われることがしばしばあります。
補聴器をかけても健聴の生徒の言うことが
分からない生徒がいることを無視?
あなたが学生の頃、聴覚障害生徒の中にも自分の固有のことなのに、聴覚障害の生徒全体のことのように言う傾向がありました。
「聴覚障害のひとは補聴器をかければ健聴のひとの言うことが聞こえます。」
などはひとつの例ですですが。
自分が補聴器をかければ、生徒との話が出来るからと言っているのですが、これでは聴覚障害の生徒の中に、補聴器をかけても健聴の生徒の言うことが分からない生徒がいることを無視したことになります。
でも、聴覚障害生徒みんながそうではありません
「私は、補聴器をかければ健聴の生徒の言うことが聞こえます。でも、聴覚障害の生徒みんながそうではありません。補聴器だけで聞き取れない人もいます。」
と、これくらいはせめて話せるようになって欲しいと思います。