ある聴覚障害者との書簡(1993年) 寄稿
あなたが離れてからの雪が舞散るか、と思えば陽がさしそこら中を眩しくさせてくれるという急変の天候の日々がつづいています。
お元気ですか。
青春を謳歌しているあなたの声が届いてきそうに思えますが。
さて、あなたからの手紙を読みました。
私として思うところをこれから書いてみたいと思います。充分書ききれないと思いますが、それはあなたとの手紙の往復で補ってゆきたいと思いますのでよろしくお願いします。
手話には無駄な動きが多いとは
ある人が、「手話には無駄な動きが多い」と言われた点についてですが、正確には
「今日見ていた手話(通訳)の範囲では、無駄な動きが多いのではないか、と思う」
と言うことではなかったか、と思います。
ある条件下の一例だけですべてを断定することは出来ません。
条件設定した、限られたなかでの一つの判断として話を受けとめたらいいのではないかと思います。
聴覚障害者は
みんな明るくて楽天的だ、と言われれば
例えば、あなたがやっていることを見て
と言われれば、あなたはどう言うでしょうか?
「私をそんなふうにみてもらって嬉しい。でも聴覚障害者はみんながみんな明るくて楽天的でないよ」
と言って聴覚障害者が個別に持っている問題と共通して持っている問題をあなたらしく、明るく説明するだろうと思います。
それだけの力をあなたは形成してきました。